このレビューはネタバレを含みます▼
ヒロイン風子による人間観察が深い印象です。紅林天について、見た目は快活そうに見えて中身は少し冷たい性格であることを見抜いたシーンは、とても中学生とは思えないほどの分析観察力があると思いました。一方で「夢」の存在についての彼女の考え方は、次第に変化しているような感じがします。実現に向かって努力するプロセスにこそ意味があり、たとえ結果が果たせなくてもそれは決して無駄なことではないという点をはじめとして、風子は彼の姿を見て何を学ぶのか、ワクワクしながら読んでいました。人間は本当に他人との出会いで成長するということを実感できる作品です。