気難し屋で指示以外のことはするなと高圧的。おまけにセクハラ行為。ヒロインの意思表示ないままに使用人に強引にキスをするのは、お話がロマンスだからと言い訳出来ない。
また、お義母様達が「問題を起こして」繋がろうとする方法がちょっと子どもじみている、と思ってしまう。
それと、ウサギ登場は可愛くていいのだが、それにまつわること(拾って、そして預けて)がストーリーにはアクセントになっていると思われるのに、遂に直接その件を話すことはなかったままなのが、読んでいる私をなんとなく落ち着かせない。誤解の遠因なのに、人から説明された体で済んでしまうのが、「秘密」の扱われ方として座りが悪いように感じるのだ。人を信じられない、とのキャラ設定のバーロウ、明確に信じるようになるプロセスが前面に出ないで、部下に委ねるところは委ねられるようになる変化でしか表されない。
年齢差が分からないが、感覚20歳は離れてる二人に思えてしまう。
ヒロインが見た目も言動も危なっかしく、どこか幼ない印象。淡い恋心は伝わったが、そこから先の感情にステージが上がった、とまで私には解らず、描写不足感あり。
彼のセクハラ行為もなんとなく水に流されているのが、私には読んでいて彼のキャラにミソを付けてしまったと思える。ヒロインが、このような就労環境に飛び込んでいるのも、そんなことがありながらも雇用関係にヒビが入らないのも、いずれも、起こるべくして起こったとまではとらえられない。
お迎えシーンの演出も「自信が無かった」人がこれ?
なにか、いろいろと、ウーム、なのだった。
別荘の被災を心配してヘリ飛ばすもお金は自分たちでもつ、という皆さんの「自立心」も、どうも中途半端に見えて仕方がない。
横恋慕自覚で寝取る彼と、誤解放置のヒロインの別離と修復とが、探偵物の金田一耕助のように後から滔々と説明されるだけでなく、視覚要素の伏線的挿入もっと欲しかった。