ネタバレ・感想ありグリンゴのレビュー

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手塚治虫が最後に手がけた作品
2024年1月15日
手塚治虫作品の中で最も好きな作品。もっと早く出会いたかった。
1980年代の日本の商社マンを主人公とした物語。主人公の日本人(ひもと ひとし)が支社長として海外支社へ赴任するところから始まり、行く先々で壮絶な体験をする。一つ一つのエピソードが、『日本人が海外でどのように見られているか』『日本人という肩書きが通用しない時、一人の人間として世界とどう向き合うべきか』を読者に問うている。読み進めるほどに、自分がいかに日本という村社会で世界を知らずに生きているか思い知る。ジャンルは全然違うが、ブラックラグーンを読んだ時と同じ衝撃だった。
社会派漫画が好きな人にはぜひオススメ。
怖いくらいの偶然
2019年7月31日
この作品は、手塚治虫の死去により未完となっています。
作中で日本人がゲリラに誘拐される事件は、実際に起きた三井物産マニラ支店長誘拐事件をモデルにしているそうですが、その事件の被害者の若王子さんは、なんと、膵臓がんで1989年2月9日に、手塚治虫と同じ日に亡くなっておられます…
こんな偶然があるのですね…
ちなみに、この作品の最後の6回は全て病院のベッドの上で描かれたもので、三巻の巻末には胃がんでひどく痩せてしまわれた様子で病院のベッドの上で本作を描く自身の姿を描いておられます。
「日本人とは」何か問いかけるこの作品を最後まで読めないのが残念でなりません。
続きが読みたかったです。
2020年1月16日
昭和の商社海外勤務って、こんな感じだったのか、と驚きました。まあ、現代の商社海外勤務がどうなのか知らないのですが。
続きが読みたかったです。ご冥福をお祈りします。
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作家名: 手塚治虫