全八編。「処刑は3時におわった」→暴虐の限りを尽くしていた元ナチス親衛隊のレーバー。処刑間近ながら、絆創膏を舐め……彼の秘策は?この話を思いつくのが凄い。
「聖女懐妊」→SF。人間の男とロボットの女の結婚→懐妊?!奇跡?の話。
「時計仕掛けのりんご」→賑わう町が急に閑散とする理由。町に閉じ込められ、戦車も登場。さらに米やパンに……。白川が見つける真実とは?
「バイパスの夜」→タクシーに乗ってべらべら捲し立てる偉そうな客と、妻とのことを話す運転手。二人の話は真実?そしてそんな二人の最期は……?
「嚢」→リカにそっくりなマリと手術の日。「ブラックジャック」を思い出す嚢腫の話。
「イエロー・ダスト」→バスジャック&人質立て籠り事件。軍の機密。殺し合い。こう言う時は大体女性が酷い目に遭遇するのが辛い。皮肉たっぷりの話。
「悪魔の開幕」→反対を押し切り憲法改正。自衛隊を軍隊扱い、核兵器の製造。首相暗殺未遂の目的。今に通じる話かも。題名を考えると結末の殺し合いが終わりではなく本当の始まり?
「帰還者」→SF。水を分け与えようとする者と取引しようとする者の"欲"の争い。地球外生命体の見せたものが現実になること間違いなし。