はっきり言う。登場人物は全員異常だ。
もちろん、この兄妹も分別がない。兄も家主になった自覚がないし、妹も態度があまりに横柄だ。
それでも、元をたどれば、彼らの両親が自分の勝手な都合で子供を捨てて離婚したから、このようになったのではないか。元父親の、自分の娘ぐらいの少女を口説いて、二人連れになっている姿が、それを物語っている。
「大人」にならないままに年齢が重なると、下の世代に悪影響を及ぼす。そして仕舞いには、社会の全体を混乱に陥れることになる。
その教訓の解釈ができるという意味で、評価を高めにした。
因みに、元父親の登場する場面のあたりで、この作者の別の作品の登場人物が出てくる点にも注目。