キスが最高、という相手はヒロインのコーヒーショップのヒロインにとって、いわば敵みたいな人、新しい地域開発計画の提案者だった。
出会ったときから決まっていた感情、キスで尚更決定的に相手として自分がいいと思っている自分の直感は、正しかった。
しかし、地域の開発には二人は正反対の立場。このまま平行線なのか。
お互いの人柄はよくわかっている。家庭のことも理解しあい始めた。
彼は彼女のために、町の価値を高めつつ彼女たち商店主たちをも最大限にいかす方法を目指すことにした。
二人の盛り上がりを妨げているものは、立場。最初は彼の弟のことと、元々の行き違いがあったけれど、それは、徐々に解消。いいお兄ちゃんは、弟を常に案じて生きているが、ご都合主義でうまーく解決。
二人がひかれあっているのは判るが、彼女が華麗な前職の経歴を裏打ちする素晴らしい知力の持ち主なことがストーリー中示されても、だから?といった、感じになってしまう。なにしろ、その能力はこの物語に活かされていない。ただの、店主じゃないということを言いたいだけに終わってしまう。
彼は弟の為に動いてヒロインと出会った後、店主たちと親しくなる流れもあるが、結局、愛は愛、ビジネスとは別に動いてクライマックスのヒロインのヒントのシーンまで、彼と商店主たちの間に計画案の修正は上ってこない。
また、ヒロインの友達も、ビジネス面での眼で捉える。
ヒロインは、結局自分の力で、事態を方向修正させたことになるのだ。
私は、ストーリーの骨組みが、弟軸と開発軸との二本柱の構造をしているのに、究極あっさり解決で済んでしまうことに、この話の大半のコマはいったい何をしてきたのか、と感じてしまうのだ。
私は、彼は彼の横顔の骨格が欧米人然としていることに、感心した。しかし、兄弟の年齢差にヒロインが驚くシーンとか、一緒に驚けず、ギプスの友人のギプス云々でお友だちのキャラを表現されても、視覚的に確認をしていないしで、個々の絵を見るのはよくても、ストーリーの展開として、各エピソードが、有機的な関連に乏しい気がしている。
町づくりも、構想の紹介でストーリーは、結末が来てしまったので、あれほど意見の一致点を見出だすことが困難な問題だったのに、ストーリーの真ん中にいたのに、結局拍子抜けの扱われ方にも、少々肩透かし気分がある。