この著者の前作である『School Rumble』がかなり好きなので、評価が甘くなっている気がしないでもないが、こちらも楽しく読めた。
1巻を読むと、凝った設定のラブコメかと思えるが、それはこの作品の一面に過ぎない。どたばたとしたコメディが前半は色濃いが、各登場人物の謎に迫るミステリー要素や、人の想いを深く描くヒューマンドラマの要素、戦火における極限的な状況を、迫力を持って描き出す戦争ドラマの要素もある。
総合的に上手くまとめられており、キャラクター達の熱量が最後まで心を打つ。
強く可憐で真っ直ぐなキャラクター達の織りなす人間ドラマは、読んでいてどこかホッとするし、思わず応援したくなる。
能天気に楽しむだけの作品ではないが、擦れていない人間の強さと暖かさを感じれる、ちょっと大人な恋愛ヒューマンドラマな作品。