初めは凄く面白かったのです。
最初から「人物絵やトーンの選び等が高野苺先生に似てるな」とか「なんか話の展開が、同じ雑誌の「俺物語!!」や「君に届け」みたいだな」とは思いました。でも、それらは私の好きなテイストなので、この作品も楽しく読んでいたのです。
話はよくまとめてあるし、絵も丁寧。キャラも可愛い。楽しかった。
でも…途中からだんだん気持ちが盛り下がってしまいました。
それは、いつまで読んでも、この作者だけのオリジナリティが感じられなかったからです。
とにかく凄く既視感があるんです。「俺物語!!で、これにかなり近い展開あったな」とか。
もしかしたら作者の好み以上に雑誌編集部の方針なのかもしれません。今はこういう展開やキャラがウケるから、こう書け!みたいな指示があるのかもしれない。でも、この作者だからこその味が感じられないのは読んでいて辛いです。それでは結局時代の消耗品で、いつまでも心に残る作品にはならないでしょうから。
せっかく上手な漫画家さんなのだから、その辺を考えて書いていたら…。もう少し、ほんの少し、何かがプラスされていたらもっと伸びた漫画になったと思います。そこが残念です。
以上、個人的でおせっかいな意見でした。