好きな人と結婚出来た喜びは日を追って色褪せていく。それでも期待して、そして一抹の不安で萎みかけ、良い方へ考えるようにしてまた今度こそと思い、それもまた裏切られた気持ちに。
その間にこれは二人の純粋な意思のみで成立の結婚ではないことを突き止める。
絵にゴージャスな雰囲気を出すことに長けている麻生先生の手にかかって、エキゾチズムも要所要所に振りかけられ、寂しい日々の連続と数回の束の間の楽しいひとときの格差を味わう、ヒロインの胸中を理解する。
相手を欲する情熱を迸らせる一夜に至る彼側の心情説明が、多少入りかたに作者都合を思わせる。
突然のTVへの飛び込み行動が、私には違和感があった。相手の直撃も可能なものなのか、そのとき邪魔されたものもあるわけだし、仕事中に出る方も出られたこと自体に疑念、また何よりもその自ら暴露に出た意義は私には感じ取れなかった。
彼が秘密にしていたことを公にしてきれいなからだになって伝えたいのは解るが、どうも方法に適切さを感じない。ヒロインもそういう応酬、視聴率無関係に(どれだけ伝わるか)私には二人の行動は幼稚に見えたのだ。