日本だとバツイチ云々と、離婚について殊更クリーンさを損なう印象を持ちがちだが、海外でも有名人の離婚ともなると、別れた妻への世の中の扱いがこうまでひどいとは。
既婚者であるときから出会っている二人、元夫ラルフはいろいろ気づいていた設定だが、二人は結婚とラルフという二重の壁で仕切られ愛情をかわすステージにも立っていない。
HQでさんざん読んでる秘書のボスへの募る想いを、まさかここでこんな形の成り行きに付き合うことになるとは。
ヒロインはラルフと会えて、やっぱり良かったね、とも言えることが、マイク・アンジェリーニとの結末からは逆引きで言える。だが、慰謝料代わりの財産をチャリティーへ出すという行為、お金目当てと思われない効果のほうは抜群でも、或る意味ヒロインの清算のためだけのこと。ラルフとの結婚時代の完全否定に回った気にもなってくる。
ゲスな弁護士も、話の盛り上げにはそれなりに存在意義はあったかもしれないが、どうもその後のメインキャラ二人の関係の深まりの直前の、ヒロイン側の動機に、ロマンス度数に、ケチがついた気になってしまう。
二人が純粋に互いと向き合うのがもって回った感が強く、すこしだけ読んでいて白けてしまった。