他のHQさながらにプレイボーイの異名を持つザヒド王。久しぶりの再会に美しくなったフランチェスカに驚いた、自分の所有物が知らない男の食指に振れたと考えると我慢ならない傲慢な男。読み進めていくと子供が大好きなおもちゃを取られまいとして自分の懐に隠すような行動が認められ、ロマンスは感じない。作中でザヒドが語っている。王らしい王であるように心がけてきたと、それがフランチェスカに対しても発揮されてしまっている。施設についての忌憚のない意見を聞かせろと言うくせに、真をついた意見に素直な態度が取れないのは王だからと言いたいのだろうか。そんなやり取りばかりがたっぷりと書かれていて私としてはがっかりだ。