プロの登山家だった恋人の健治が二カ月前アラスカで遭難した。恵美と健治は幼馴染でいつも一緒にいたのに、彼だけが山を目指してプロの登山家になった。山から帰った彼のデジカメの中には山岳ガイドのラキの姿がいつもあった。彼が行方不明になって一月後、ラキが健治の遺品、クイックドローという登山道具を持って恵美を訪ねて来てくれた。それが荷物ごと雪崩に巻き込まれた健治の唯一の遺品だった。彼の死に納得がいかない恵美は、自分の目で現場を見て気持ちに区切りをつけるため、ラキの助けを得てアラスカの山を目指すことにしたのだ。スポンサー企業に就職を決めて、最後の登山で雪崩に巻き込まれてしまった健治。会社を辞めてラキの元で 日々トレーニングを積む恵美。一条ゆかりの原案をもとに描かれた感動作。