ネタバレ・感想ありナポレオン~獅子の時代のレビュー

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偉大なる陸軍
2025年11月27日
長谷川哲也先生はヤングキングアワーズに
『1812-崩壊-』という前後編の読み切りを掲載し
その高評価を受けて、この『ナポレオン ~獅子の時代~』の連載を始めて完結させました
足掛け20年以上かけナポレオンと帝国の興亡を描いた空前絶後の大河ドラマです
読み返すと長谷川先生の試行錯誤や更に巧みになっていく過程が伝わってきます

獅子の時代と前身の読み切りは別作品ですがキャラクターには皇帝ナポレオンと語り部ビクトルが共通して登場しています
そもそも長谷川先生が青年ナポレオンという連載をしていた事に当時の編集部が注目して
アワーズに掲載したそうで
絵柄や語り口など多くの点で改良されています

獅子の時代は、まず皇帝ナポレオンの最大の戦勝であるアウステルリッツでの三帝会戦から連載が始まっているのが妙手であったのです
強烈に面白い陸軍同士の会戦を読んだ読者たちはこの作品から目が離せなくなりました
そして凄いのは、ナポレオンが誕生する寸前のコルシカ島に巻き戻り彼の母と父から描き始める構成です
母レティツィアは父よりも長生きしてナポレオンの人生を最後まで見守り手助けする様が作中でずっと描かれるので
ボナパルテ一家を好きにならざるを得ない
そして、ビクトルという人物も魅力的である
この人物は様々な戦場を渡り歩く伍長で最終回ではナポレオンの元帥であった或る人物と共に主役になる
ビクトルの憎めなさ強かさは読者の読み方に大いに助けになりました
獅子の時代はエジプト遠征まで描いてタイトルを『覇道進撃』に変えて続きます
ナポレオンやフランス元帥、ロシアのアレクサンドル1世やクトゥーゾフ、ブリテンのネルソン、オーストリアやイタリアやエジプト諸々
残されている肖像画を基に描かれているのでビジュアルは違和感が無いです
長谷川氏が軍人たちに独特の味付けをしているのがクセになる、のですが
意外に史実から引用されていたりします
初期の巻で活躍した軍人たちが覇道進撃で哀しい最期を迎えるのは史劇であるから
ネルソンやロベスピエール、処刑人サンソンは獅子の時代でひときわ輝いた傑物でした

暴力描写、性描写が過剰に有るのでそれらが平気な向きには強く推薦する漫画です

紙の単行本には在る大陸軍戦報は電子書籍には未収録なのは惜しい
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2017年1月16日
絵の癖が強く、濃いので、最初は取っ付き難かったのですが、ストーリーがしっかりしており、何より、キャラ同士の掛け合いが面白すぎる。
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