このレビューはネタバレを含みます▼
プロット自体は懐古的だが、物語はしんみりに傾かず、むしろ男たちの情けなさと滑稽さを前面に押し出す本作
刑務所から仲間を引っ張り出そうとする無茶な策や、マドンナをめぐる父親疑惑という騒動は、笑いと涙を両輪にした“昭和的エンタメ”の王道展開
だがそのドタバタの背後には、友情と後悔、そして老いを迎える世代の切実さがしっかりと根を張っている
結局のところ、『あさひるばん』は「もう一度、青春を取り戻したい」という中年男たちの愛すべき悪あがきを、軽快かつ温かく描き出した佳作と言える