先生というより同級生位にしか見えない絵の教師生徒物は多いがこれもその一つ。
ただ、この話は出会いが学外で、萩原先生の私服が高校生とは変わらない、ということがよーく判る話。先生が外で先生のような服装はしていないのは当たり前なのだが、髪とか見た目がほとんど違う。互いの立場を確認する前は、二人はただの男子女子なのだとシンプルに納得してしまう。
高校時代の教師とクラスメートが私の周りでも結婚したが、彼らもデートは車と聞いた記憶がある。昔のことだが。「スイッチ」「先生!」「海の天辺」と、私の好きな教師生徒恋愛少女マンガは製作年度のことも関係するのか、いずれも車登場。その空間をドラマ発生の場として巧みに演出に用いられている。車という何重にも重宝なアイテムが表舞台から消えると、学校という制限ある空間を離れ、少し異なる密室空間でのドラマが減るのかと、残念。このストーリーは、そこまで深みを持てるものではないが、休み中の海という、ほぼ何の制約もなかった場で出会い、学校という、規則規範や立場の固定などの窮屈な空間で再会、部活やスキー教室の変形空間で、やや動けて、そして先生の車のなかという特殊空間の二人。各段階が、それぞれ用意されている。
「チョココス」に関しての難点は、秘密といいながら無防備過ぎに見える二人、かな。
周囲に無防備、で思い出す「ひるなかの流星」を読みたくなってきた。
好きだ、という気持ちを大切にする、このメッセージも大切だが、二人の関係は、現実には嫌悪する朴念仁も世の中多いのだという事が、少し描く場がなかったことが、鏡の反対でこの作品の弱味。ページ数から言って仕方のないことだったが。葛藤を余り入れてないとこどもっぽい出来になり、損をすると思う。
幼馴染悠士くん視点のストーリーには興味がわく。
この短さのストーリーで、題材に選ばれた学校のイベントが、部活とスキーというのが比較的新鮮で面白いと思った。
3点台の後半のつもりで星4つ。