このレビューはネタバレを含みます▼
子供の頃に「魔子」で連載していたのを読んで、コミックを買うほど好きだった作品。今読んでも面白かった。
人の心に巣食い、トラウマを餌に成長する地獄虫。これをご馳走として食するのが、鬼んぼという妖怪である。
鬼んぼは、扱いを間違えると恐ろしい妖怪であるらしいが、作中では人間を助けるダークヒーローとしてひたすら格好よく描かれている。
ただし鬼んぼは、あくまで食事をしているだけで、人間を助けているというのは、結果的に、でしかない。つまり人間の味方ではない。地獄虫が美味しく成長するまで、鬼んぼは地獄虫をひたすら放っておく。地獄虫に取りつかれた人間は、やがて幻覚を見はじめるなどして、生活に支障をきたし始めるのだけれど、そうなってから初めて鬼んぼは地獄虫を食べてくれる。それまでは人間は恐怖を味わい続ける。
とはいえ、最終的には鬼んぼは人間に感謝されているし、ヒーローという扱いで問題ないだろう。
ライバルキャラや、小悪魔的ヒロインキャラも登場し、物語を盛り上げてくれる。とても楽しい作品である。