傲慢な父によってディアナと恋人ルークは引き裂かれルークは殺人犯として収監された。それだけでなくディアナの兄も父に恋人を寝取られていた。ディアナの兄は、妊娠中のディアナが父親に流産させられる暴力を受けていたのを助ける形で犯した殺人であるのだから、隠蔽せずに自首していれば、過剰防衛で執行猶予が期待できる事案であるのに、わざわざ犯人をこしらえてしまったのが2重の悲劇となった。この物語の登場人物の言い分全てが、悲しいけれど納得させられてしまう運びになっていて、犯人捜ししながら読むというよりは、主人公2人の橋渡しとなるルークの弟を要としてホドかれていく感情の推移を読むという感じでした。許せない「父」。