アダムは出自の過酷さに心を閉ざした。それでも、寄り添う弟がいたが、弟を亡くし更に心を閉ざした。それを導き社会復帰させてくれたクリスティン。支えが必要な者同士であったアダムとクリスティンは結婚した。アダムにとってクリスティンはいわば母親か女神のような存在。そして、クリスティンが亡くなる前にはアダムにトリシュを愛せと命じた。だから、トリシュと結婚するのかという物語に読める。クリスティンを亡くし引きこもっていたアダムは、当然クリスティンが亡くなったことを悼んではいただろうが、彼女の「トリシュを愛してあげて」という言葉に悩んでいたのではないのかと勘ぐって読めるではないか。恐ろしい、マインドコントロールだ。アダムは深く思考しようとすると頭痛を起こすようだし、これは、自分の意思とクリスティンの言葉との葛藤ではないのか?本当はルイーズと結婚したかったのにクリスティンの言葉に反抗しようとすると頭痛がして快適でいられなくなるのではないのかと感じてしまった。これは恐らく展開が悪いのと、差し込むべきコマが足りていないのだと考える。彼のトリシュに対する感情を含んだ表情はきちんと有る。が、クリスティンとアダムとのやり取りがかなり不足で、クリスティンの口からトリシュを勧める理由等々が描かれていないがためにそう受けるのだと推測する。HQを読んだ気がしない。