業田良家らしい社会風刺と人情味が交差するユーモラスな作品
主人公の沼二郎は、一見滑稽で救いのない存在に見えながらもどこか憎めないキャラクター
ストーリーは小市民的な不条理を誇張しつつも、日常に潜む笑いと哀しみを巧みに切り取っています
その筆致は冷笑的ではなく、むしろ優しい眼差しで人間の弱さを描き出す点がよい👌
時に辛辣なユーモアが炸裂しながらも、最終的に残るのは人間に対する温かな共感です
風刺漫画の枠を超え、人生の可笑しみと悲哀を味わわせてくれる独自の魅力を放っている
業田作品の中でも、特に「笑っていいのか考え込むのか」迷わせる余韻を残す一冊