この先生のデビュー作とか初期の作品の作品集なので、画や内容に 指摘する箇所は いくらかあるのですが、1つ1つの作品に対して、丁寧に裏話を書いてらっしゃるので、それと 作品を重ねて読めば、作品の魅力が増します。どの作品も高校生の感受性があふれ出ています。危なっかしくって、どうしようない不安定さと、どうすればいいのかわからない葛藤は やがて、近くにいる”誰か”によって、大丈夫だという確信に変わっていきます。ネタバレをすれば 片思いが両想いになるハッピーエンドなんですが、爽やかからは ほど遠くって、ちょっぴり切なくて、苦いハッピーエンドです。それは、誰もが やっと スタート地点に立ったからで、頑張れよって応援したくなります。これからが 勝負っていうハッピーエンド、ちょっと 現実に近い気もします。