妹のやらかしたことの尻拭いをするために恋人のフリを強制されたヴァイオレット。彼女は自らを保守的と疎んじているが、他人の良いところを見出すことに長けている。それだから、奔放な妹とも仲良くしていけるのだろう。それをダミアンに対しても発揮したのだ。頑強なまでにクールに徹するダミアンだが、その内なるところには「愛情」がちゃんとある。兄ドミニクや母との確執はあるものの、それは子供じみた理想と現実のギャップであって屈強なものではない。そんな部分を見抜いたヴァイオレットによってダミアンには不本意だったようだが惹かれあっていく。この、ダミアン家族の確執は、現実にありそうでとてもリアルなことだが、ダミアン自身が財力の有る男であることが、和解の種になるところがHQです。先立つものが悩みの種なのが万人の頭痛の要因ですから。惹かれあう二人に共通項が無いことが痛手となる物語だけれど、それこそが二人をつなぐ最も強いパイプとなるのだと迫ってくるダミアンに少々惚れました。★がー1なのは表題が180度逆だからなだけです。