無料キャンペーンを期に読み始めてみましたが、所々残念な作品でした。肝心な描写が薄いまま序盤からサクサクと展開していくせいで、読者がキャラの魅力を理解していないまま次の展開にいっているような印象です。
キュンとする前に話が終わった、みたいなイメージ。
設定とかはとても好みなので、キュンまで至らないことがとても残念。
たまにダイジェスト版でも見てるような気分になりますが、このストーリー進行のさせ方そのものがこの作者の持ち味のようなものだと思うと、とことん私の好みに合っていないのだと思いました。
ある程度話が進んだあとは逆に、ちょっと迫られただけで「ムリ!王子のヘンタイっ!!」って言って逃げる主人公とのよく分からないイチャイチャを見せられるばかりで飽きてしまいます。
王子はそんな主人公が可愛いと思っているようですが、読者が飽きているのなら王子もこんな子飽きるのでは…と冷めた目で見てしまいます。
側妻が30人もいてしかもみんなと仲良しという設定の王子。今更ウブすぎる子供みたいな子を可愛いと思うものでしょうか。
そういう描写は一切ないけど、どう考えても全員と関係あるよね…だって全然妻だし…と思うとなんだか嫌だなぁと思えてきます。
もし関係ないんだったら、正妻としか関係持たないと決めてる、とか何とか言って欲しい(笑)
主人公もどんな奴隷生活送ってたか知りませんが、最初からほっぺチューくらいでぎゃあぎゃあ言い過ぎ。
そもそも冒頭から主人公が王子の側妻入りするとこから始まるので、主人公のこと自体よく分からないんですよね。
元は別の国で奴隷だったことは明かされますが、その後一般市民としてこんな風に生活してましたとか主人公の人柄が理解できるような描写はなく、「王子に拾ってもらってよかった!」とすぐ絆されてますし。
個人的に弟くんが好きでしたが、1巻に詰め込みすぎだったような印象です。
王子が好きな主人公の気持ちにも、主人公が好きな王子の気持ちにも、王子に嫉妬して主人公に手を出そうとした弟の気持ちにも感情移入できないまま眺めてるうちになんやかんや終わってて本当残念でした。
好きになるまでの過程をもっと丁寧に描くべきだったのではないでしょうか。
ただでさえ、一夫多妻という特殊設定なので、それに見合った大人な話にするだとか何か魅力を感じさせてほしかった。
絵は綺麗で見やすいので☆3です。