このレビューはネタバレを含みます▼
表題作が凄すぎた。
読み返すと序盤からラストに繋がる片鱗は確かに見えていて、
2、3度読むと主人公と反転した視点で見えてくる。
クリスティの「春にして君を離れ」のような
一種の叙述トリックにも思えた。
静けさを愛した毒親育ちに救われない地獄、というよりは
結局は同じ根っこを持っていた母子の業の轍と言った感。
細やかに描かれてるので読後感が良い。
表題作以外も映画のように作り込まれていて、凄く良かった。
徹底して心理学を学びぬいた人の本だと思った。
昭和の少女漫画はすごい。