このレビューはネタバレを含みます▼
野生と人間社会の狭間で揺れる“生の瞬間”を、鋭く、時に痛烈に切り取る本作
主人公・隆三は野性を愛し、野生を追う孤高のカメラマン
しかし、帰国した東京で待っていたのは恋人・三輪柚子の微笑だけではない
人間社会が生む事件や混沌が、野生の掟と同じく冷酷な現実を突きつけます
ページをめくるごとに、東京の街がサバンナに重なり、車と人、欲望と衝突が生き物の捕食シーンのように描かれ、その緊張感は、単なる社会派サスペンスの枠に収まらず、生命の根源的な掟――「弱肉強食」――を都市に転写する試みとして圧巻
隆三の視線を通して見えるのは、私たちが普段、見て見ぬふりをしている“都市の荒野”そのもの
軽快かつシャープな描線で展開される事件群と、時折見せる動物的直感の描写
これらが交錯する瞬間、読者は「人間もまた動物である」という真実にハッとさせられる
野生と文明の狭間で揺れるサスペンスが、これほどまでに野趣と都会感を同時に演出できるとは、まさに漫画ならではの醍醐味