小ねずみと揶揄されたヒロインリリーが純粋でとても可愛らしい。彼女は、自分に自信が持てないから挙動が「ねずみ」のようにコソコソチョロチョロとヒーローアレッサンドロには見えたのだけれど、美人であることも見逃していないのには 見ているところはシッカリ見ているのだなとチョット笑った。HQにはよくある「愛は信じない 必要ない」ヒーローと彼も同じで、本気の女性に裏切られた過去を引きずっている純粋さを見せてくれている。しかし、そこは企業のボスとして同じ轍は踏まないと一見自制は見せても感情はコントロールできない部分も見せて可愛くてホッとさせてもくれる。けれど、リリーは彼のライバル社の身内であることが匂わされているので さあ、どんな展開になるのかとワクワクしながら読み進めた。リリーは身上を伝えようとしていて、それを彼が別の事と勘違いして言葉を遮る作りがされており、もう誤解のツボは分かるのだが、冒頭に比べると リリーは自信を持ち強さを得てきているので、以前の恋人との別れのようにメソメソしているだけじゃないところがイイ。取り立てて特別感のある物語ではないのだけれど、リリーの変化とそのヒューマンドラマにとても心地よさを感じた。私としては、チョット間抜けなアレッサンドロが好印象だった。