題材がいい。錆び付いた純文学界を倒しにいく高校生なんてとてもカッコいいではないか。が、惜しむらくは作者の気持ち悪さが全面に出てしまっていること。この作者じゃなければもっと良い作品になっていたのではないか。一般的に、天才は空気が読めない、常識はずれーーそういう部分はあるかもしれない。だが、他人の顔面に突然の蹴りは入れない。アスペルガーや発達障害は狂暴な犯罪者ではない。しかしこの作者は、悪いことは悪い、自分のただしさを貫くためにはなにをしてもいいという倫理観を持っている主人公がカッコいいと勘違いしている。仮にも言葉を突き詰めているキャラクターが言を放棄して暴力に走るだろうか?そして見た目を飾ることをしない主人公が、そんなブリブリの下着つけるだろうか?(しかもそのカット必要だった?なんで脱がした?)そうしたところで作者の気持ち悪さをビンビン感じてしまって本当にだめだった。