全31巻。
どれだけ人気作品だったかは、関連書籍が多数あることからありあり。これは、漫画家先生は走れるところまで、相当の長期間樋口先生は走ることになった経緯を背景に抱えると想像する。それが、ストーリー作りの才能の高さ豊かさに支えられてかなり長く持ったが、段々アリスとして集められた子ども達の悲しい事情などや、個々のアリスを駆使しての、彼らなりのしたたかに工夫した学園生活でのサバイバルのエピソードを乗り越えはじめたときに、減速が見えてきた。「闘い」とは切り離せないアリスの悲哀が、特別な能力としての位置付けを難しくさせてしまったようにも感じてしまう。
多彩なアリスを登場させる、稀有であるはずのそのアリスの存在自体樋口先生の創造性をまざまざ見せつけて、ストーリーは他の追随を許さない独自路線で強い魅力があった。
学園内の敵、外部の敵、学校の体質への抵抗、いろいろ興味を繋げていたが、私は少しずつ息切れを感じ始めてしまう。毎日無料連載を第21巻まで読んでここが丁度いい潮時なのかな、とも感じ出している。
どれほど素晴らしいストーリー作りの才能があっても、この長さでは膨満感は避けられないのか。
また、後半に悲しい展開も他のレビューアーさんが触れているので、その先を読むには勇気も要りそうなのだ。悩むところ。
しかし、希代の話作りの泉を持った漫画家なのだと、何度も感心してしまった。絵は可愛いし、小学生設定もこの見た目ということでは受け入れられる。実にユニークで見た目の楽しい絵が数多くある。
小学生設定でありながら、キャラ達にいろいろさせる無理無理感、そうなるとそれと相対的には先生達の子どもっぽさをも感じさせてしまうのが、少し勿体なかった。13,4歳設定とするだけで恐らく違和感を解消させられたのではと思う。