気に入っていた話だった。この作品は掲載誌をしばらく捨てなかった。月刊S誌掲載で、このころ、先頃亡くなられた津雲むつみ先生も活躍されていた時代。
高校生活は私のと余りに違っていて、そこもまた魅力だった。
いろいろ詰まっているが、よくまとまっていて、子どもじみていないところが良い。別離を選んだ斉木先生と渚女史、そこが残念だったが、話のバランスを取ろうと作者がそういう道を用意したと思うと、私は大甘ストーリーのほうが、作品の格を下げても歓迎した筈。
S誌系は、こういうシビアな現実を結構差し込んでくるのでそれほど読まなかったが、この作品は美しい分明るさもあると思う。今読み返して味わい直した。
また読めたことが素直に嬉しい。