死に様を描く。作者があとがきに記したとおり壮絶な死に様です。史実は誰しも知っているとおり大阪城は落城し真田幸村が死ぬこともわかっていて歴史上の人物達をどのように肉付けしどのように死なせるのか。墨絵のような作画が思いの外、迫力があって死ぬために生きる覚悟に圧倒されます。平穏な暮らしを捨て得る武士の実意を自分はまだわかっていない、そう言っていた大助が父の背を追い最期、まだ15歳にして為すべきことを自ら果たす。家名の旗印のもと死に様で生きた証の名を遺した真田幸村という解釈を見事に描ききっています。タイトルも深いですね。出版までに紆余曲折あったようですが最後まで情熱をもって描いてくださった作者に感謝です。感動しました。