ネタバレ・感想あり羊のうたのレビュー

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姉と弟の閉じた世界
ネタバレ
2020年9月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 思わず全巻一気読み。吸血衝動を抑えられず、人を傷づけてしまう奇病に侵された一族、その姉と弟をめぐる物語です。友人彼女や育ての親から自らを隔絶して、姉と弟がやがて相思相愛になり死別するまでの暗い疾走感にやられました。
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姉弟関係
2019年8月31日
イエスタデイとならび著者の代表作だと思います。狭く閉じた人間関係の中で展開されるストーリーは人を選ぶかもしれませんが読後には深い余韻を残してくれます。
ほの暗い姉弟もの
ネタバレ
2018年1月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ ごく普通の高校生だった少年が、子供の頃の記憶を取り戻し、姉と再会し、一族の病に犯されて、徐々に社会から隔絶されていく過程が圧巻でした。
閉鎖的な世界観を好む方なら楽しめると思います。

一族の病を発病した一砂が、静かに、少しずつ姉である千砂にのめり込んでいき、最後には千砂の血を求めるのではなく、千砂自身を求めていくようになっていく様子や、父親に心身を囚われていた千砂が、それに抗おうと足掻く様子は、生々しく、真に迫るものがあります。

最後にはこの一砂と千砂が互いに愛し合うようになるわけですが、あくまで近親愛であって、近親相かんではありません。
千砂と父親の関係について、作中では思わせ振りなことが描いてありますが、あれらの描写はあくまで自らの血を肉親に啜らせるということの背徳感を読者に味わわせるための暗喩であって、実際のところ性的な体の関係は皆無でしょう。
現に、千砂はこの病の血は自分で終わらせる(子供を作るようなリスクは犯さない)と言っています。それは、病が原因で最愛の妻を失った父親としても同じでしょう。千砂よりも妻を愛していたのだから、尚更です。

姉弟間で口づけを交わし、血を啜り、啜られるという背徳感。
他人の血を欲するという自らの病をも超越した愛。
そして、最後には二人で死に至るという幕切れ。

この上なく完成された物語でした。

ただ一つ不満があるとすれば、最終話でしょうか。
心中したはずの一砂が、記憶喪失になり、生き延びています。

一年もの記憶が抜けているという事実を隠し通せるわけがなく、しかも一砂の吸血欲求を誘う八重樫が一砂の側にいるのだから、遠からず病が再発し、記憶を取り戻してしまうことは明らか。

どちらにしてもバッドエンドは目に見えているわけで、あの取って付けたようなラストは蛇足な感が否めないかと。

作者の強い個性が窺える独特な漫画だっただけに、あの終わりかたは勿体ないです。

それ以外は文句なしに面白かったです。

ほの暗い話が好きな方にはおすすめです。
閉鎖世界😩
ネタバレ
2023年10月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 悲しいけど、姉弟の世界はこれで良かったと思います。
世界は二人で完結しているのもあります。
悲しくてどこかレトロで昏い漫画でした。
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4.0☆
2022年9月9日
青年マンガ、ホラージャンルになってるけどそんな怖くない、ゾクっとする感じはある。SFファンタジーの世界観で姉弟の愛情、孤独、葛藤、何かと闇の深い物語。カラーのカバーイラストを見ると作風がわかると思います。独自の絵が印象的で整った絵というよりは、色んな感情や雰囲気が上手く描写されているような絵です。何となく昔のマンガ風の良さがある。好みは分かれるかもしれませんが、現在50%オフクーポン出てますのでオススメです。評価は4.0☆
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