このレビューはネタバレを含みます▼
やまさき十三と高井研一郎コンビならではの“異種格闘技的ゴルフ劇画”
主人公・沢井貘は、夜の街に似合う強面の男でありながら、グリーン上では華麗な技を見せるというギャップが痛快
酒と博打にまみれた日常と、静謐な芝の上での真剣勝負
この二つが交錯することで、物語は一気にエネルギーを帯びる
高井の濃厚な筆致が、貘の迫力顔に人間味とユーモアを同時に宿し、やまさきのストーリーテリングが「場違いな男が場違いなまま強者になる」奇跡を説得力あるものにしています
プロゴルファーものにありがちな美技礼賛に陥らず、むしろ“場外乱闘上等”の男がグリーンで暴れる姿が読者のカタルシスとなる