往年の名作『巨人の星』で主人公・星飛雄馬が投げる魔球の名は「大リーグボール」。いつの日か日本人選手がメジャーリーグで活躍することを願って名付けられました。現実が漫画を超えた現在、野球漫画を読む意味はあるのか?大いにあります。新しい切り口や斬新なキャラクターで、野球に対する印象がガラッと変わる傑作ばかりを集めました。読んでから観るか、観てから読むか、ますます野球と漫画が好きになる30作品を紹介します。
目次
親子2代にわたる大河ロマン、いつか先発投手になるためにひたむきに練習を続ける控え投手、記憶喪失になった捕手。アニメ化されたのも納得できる読みごたえたっぷりの大人気野球漫画4作品。
【あらすじ】主人公・本多吾郎の父である茂治はプロ野球投手ですが、肘のけがのためチームから戦力外通告を受け、進退をかけて野手転向を決意します。チームメイト茂野の後押しによって無事引退を回避し、野手として再スタートします。一方、父の影響で親友・寿也と共に練習に励む吾郎は、わずか5歳にして、リトルリーグの選手をしのぐピッチングを身につけていました。吾郎の素質を見抜いた三船リトルの監督は吾郎に次々と野球のノウハウを教えていきますが……。
【作品情報】作者は『BUYUDEN』『健太やります!』の満田拓也で、小学館『週刊少年サンデー』にて1994年から連載され、2010年に全78巻で完結しています。テレビアニメは2004年から全6期にわたって放送されました。 その後、吾郎の息子大吾が主人公の『MAJOR 2nd』も2015年から連載されています。
【おすすめするポイント】主人公・吾郎が5歳からリトルリーグ、高校野球、メジャーリーグへと野球人生を駆け上がっていく大河ロマン。 元々吾郎の保育園の先生で、妻亡きあとの茂治と婚約し、茂治の死後も母親として吾郎を育てる星野桃子の、血のつながらない吾郎に対する深い愛情。壁にぶつかり、迷いながらも一歩ずつ前進していくキャラクターたちに胸を打たれ、生きる勇気をもらえる名作です。
【あらすじ】主人公・茂野大吾はプロ野球選手である父・吾郎の影響でリトルリーグに入ったものの、致命的に肩が弱く、バッティングにも自信がないため挫折してしまいます。ある日、同じくプロ野球選手を父に持つ転校生・佐藤光と共に、助っ人として試合に参加します。自分の弱点を再確認して落ち込む大吾に対して、光は初めての野球でバットの持ち方もわからないのに、早速強肩やバッティングの才能を開花させます。素質があるのにリトルリーグ入らないという光は、大吾も入るなら一緒に入ると言い出します。
【作品情報】作者は『BUYUDEN』『健太やります!』の満田拓也。本作は『MAJOR』の主人公・吾郎の息子・大吾が主人公の物語。2015年から小学館『週刊少年サンデー』で連載され、2024年5月時点で28巻まで配信中です。2018年から2シーズンにわたってアニメ化されています。
【おすすめするポイント】父・茂治に憧れ、ひたむきに野球に打ち込んできた吾郎に対して、大吾は父の実績のプレッシャーに押しつぶされて野球に挫折していました。世代間の価値観の違いが出ています。そんな大吾も、光との出会いによって、本来好きだった野球への情熱を取り戻していきます。大吾は、祖父や父のようにプロ野球選手になれるのか? 父の記録を超える大選手になれるのか? 今後を見守っていきましょう。
【あらすじ】中学野球制覇を目指していたピッチャー沢村栄純は、自らの暴投で1回戦敗退してしまいます。チームのメンバーと同じ高校に進学し、甲子園を目指そうとするものの、学力が足りずとても合格できそうにありません。そこへスカウトの女性・高島礼が現れて、野球の名門・青道高校のスポーツ推薦枠を打診してきます。高島に誘われて青道高校野球部に見学に行くと、設備の豊かさや選手の練習への入れ込みように度肝を抜かれます。そこで超高校級の打者・東清国(あずまきよくに)と言い争いになり、沢村は東と対決することに……。捕手を買って出た御幸一也(みゆきかずや)のリードに沢村は東を三振させます。
【作品情報】作者は『GIANT STEP』の寺嶋裕二で、講談社『週刊少年マガジン』で2006年から連載され全47巻で完結。第2部の『ダイヤのA actⅡ』は2015年から連載され2022年に全34巻で完結しています。テレビアニメは2013年から3シーズンにわたって放送されました。
【おすすめするポイント】高校野球を題材にした漫画だと「弱小チームがチーム全体で強くなって甲子園を目指す」のが定番ですが、本作では甲子園常連校に野球の才能を認められてスポーツ推薦枠で入学した、いわゆる「野球留学」した高校球児の姿が描かれています。名門校野球部の様子を垣間見ることができるリアルな作風です。
【あらすじ】全国の強豪校からスカウトの声がかかる中学生怪物バッテリーの投手・清峰葉流火(きよみねはるか)と捕手・要圭(かなめけい)は、突如として姿を消します。葉流火の速球を目の当たりにした山田太郎は野球を諦め、野球部のない都立小手指高校へ進学。しかし、あろうことか清峰と要が同級生に。要は記憶喪失になり、すっかりキャラ変しておちゃらけ男になっていたのです。さらに二人に敗れたシニア選手たちも噂を聞きつけて小手指に集結。結成したばかりの野球部に甲子園出場の期待がかかります。
【作品情報】作者は『ブタイゼミ』のみかわ絵子で、本作の作品化のために講談社から集英社に移籍、集英社『少年ジャンプ+』にて2018年から連載され、2024年6月時点で18巻が配信中です。2024年にはテレビアニメ化されています。
【おすすめするポイント】記憶をなくしてギャグを連発する要に、最初は単なるオモシロを狙ったギャグ漫画?と思いきや、清峰や要の存在を聞いて次々と仲間が揃っていくうちに、本格的な野球漫画へと変貌を遂げていきます。さらに、要が二重人格となって面白さが加速していく、読み出したら止まらない前代未聞の記憶喪失野球漫画です。
「ポンコツ」と馬鹿にされても、夢だけは絶対に手離さない。底辺のチームや選手がひたむきな汗と純真な心で奇跡を起こす。最弱チームが強豪チームを倒す下克上に血がたぎる王道野球漫画6作品です。
【あらすじ】石浜文吾は、一つのことに興味を持つとずっとやり続ける性格。心配になった姉かをりは、金魚の観察から興味を逸らすために、父に頼んで文吾にグローブとボールを買って与えます。すると文吾は、たとえ嵐の夜でもボールの壁当てをやるようになりました。文吾とかをりが練習していると、二人を恋人同士と勘違いしたのか、嫉妬にかられた同年代の野田幸夫が文吾に野球対決を挑んできました。ホームランを打たれた文吾は完敗しますが、幸夫と静央シニアの監督であるその父は文吾の類いまれなる投球センスを認めていました。文吾の野球への道が開かれていきます。
【作品情報】作者は『LASTMAN-ラストマン-』の二宮裕次。集英社『週刊ヤングジャンプ』にて2015年から連載され、2024年3月時点で38巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】ひたむきに一つのことに集中し、一直線に進む文吾のキャラクター性に心奪われます。静央シニアに入団してからは、新たに文吾の秘密が発覚、さらに潜在能力が引き出されます。一方、ピッチングのみに集中してきた文吾は守備や打撃はまったくの初心者。このアンバランスさで、勝ち残っていけるのか? 姉かをりや文吾の教育係の神谷真琴など、脇キャラも魅力いっぱいです。
【あらすじ】かつて甲子園の常連校で春夏連覇を成し遂げた名門・常星学園は学力重視に方向転換し、野球部は監督不在で部員は4名。廃部の危機を迎えていました。主人公・日々野塁斗は不良の集まる盟侠学園の連中に絡まれていたところを火狩(かがり)将太郎に助けられます。火狩は中学時代「100年に一人の天才」と呼ばれたエースでした。やがて、常星野球部は他校と組んで連投チームを作ることに。しかし、その連合相手とは塁斗に絡んだ盟侠の連中だったのです。盟侠の部員に野球をする気はなく、新しい溜まり場が欲しかっただけでした。しかし、超楽観的な塁斗は暴れる盟侠生を見て、甲子園に行けると確信します。
【作品情報】作者は本作がデビュー作になる松本直記で2021年から講談社『別冊少年マガジン』に連載され、2024年5月時点で12巻が配信中です。
【おすすめするポイント】どんなに絶望的な状況でも明るい妄想が脳内を渦巻き、前向きに行動する塁斗のキャラクターが秀逸。盟侠の選手も塁斗に褒められることで、段々その気になってきます。真面目と不良が混ざり合うことで奇跡を起こす、ワクワクが止まらない高校野球漫画です。
【あらすじ】猿野天国は女子にモテず、運動部の女子の着替えの盗撮するなど、ますますモテない行動を取るように。 一念発起し、モテるために運動部へ入部しようと部活見学します。ウェイトリフティング部で出会ったメガネの美少女・鳥居凪が野球部のマネージャーと知り、入部を決意。しかし、入部の条件は野球経験者のみ。天国は嘘をついて即席の訓練で野球経験者レベルの技術を会得しようとします。はたして天国はテストに合格できるのか?
【作品情報】作者は『鬼畜の菊池くん』『バリハケン』『娘へ ~将来死にたくなったらコイツを読め~ 元ジャンプ作家が育児に精を出してみた』の鈴木信也で、2001年から集英社『週刊少年ジャンプ』で連載開始、2006年に全24巻で完結しています。
【おすすめするポイント】野球選手として以前に盗撮、下着泥棒と、人としてアウトの主人公の天国。当初はギャグを連発していますが、終盤になるにつれて本格的な野球漫画に変貌を遂げていきます。学校の名前が「十二支高校」だけあって、メインキャラはすべて干支にちなんでいます。まったく運動してこなかったのに、天国はなぜか無尽蔵な体力の持ち主。破天荒主人公の大暴れが楽しめるジャンプ漫画らしい作品です。
【あらすじ】シニアチームでトラブルばかり起こし、どこにも行き場所が無い久里武志は、夢の島高校の審査を受けますが、ここでも元来の癇癪気持ちを露呈し、工藤監督と喧嘩してしまいます。しかし、監督は久里の野球の素質を見込み、部長の反対を押し切って久里を合格にします。母からネグレクトされた久里の心は荒れていました。監督はまず久里にハゼ釣りを命じますが、その真意はいったいどこにあるのか? やがて新入生歓迎試合が始まり、監督は先発に久里を指名します。部長は久里を叩きつぶすために、謀略を巡らせていました。
【作品情報】原作は『イレブン』『はっけよい』を手掛け、同じく漫画家のちばてつや、ちばあきおの弟でもある七三太朗。作画は『あしたのジョーに憧れて』『ほんでもってESP』の川三番地。二人のコンビ作には他にも『4P田中くん』『風光る』『天のプラタナス』があります。講談社『週刊少年マガジン』で連載され、のちに『マガジンSPECIAL』に移籍し、2017年に全71巻で完結しています。
【おすすめするポイント】喧嘩っ早い久里の性格を監督の教育で穏やかな性格に……というワケではなく、性格はそのまま、監督の導きや相棒の捕手・百瀬のリードで試合を勝ち抜いていきます。部長、先輩、ライバル校と次々に敵を増やしていきながらも、豪速球と機転で切り抜けていく姿にスカッとします。
【あらすじ】少年野球チーム「ポマーズ」で少年たちを指導していた女子高生・菅原鈴緒(すがわらすずお)は所属高校が甲子園に行けず号泣しています。鈴緒を「すず姉」「師匠」と慕う北大路輝太郎や梅宮右京らは「俺達が師匠を甲子園に連れて行く」と誓います。6年後、鈴緒は都立あおい坂高校の教師となり野球部の監督に就任しますが、熱意が空回りして選手が離れ、毎回1回戦で敗退。廃部の危機を迎えていました。そんなときに進学してきたのが輝太郎や右京ら「ポマーズ」のOBたちです。はたして、師匠を甲子園に連れていけるのか?
【作品情報】作者は『BE BLUES!~青になれ~ 』『リベロ革命!!』『鳳ボンバー』の田中トモユキ。小学館『週刊少年サンデー』に2005年から連載され2010年に全26巻で完結しています。第32回講談社漫画賞少年部門受賞作です。
【おすすめするポイント】自分たちに野球を教えてくれた師匠への恩返しに、仲間が集結する絆の物語。高校野球の世界では私立高校より条件的に圧倒的に不利な公立高校が甲子園に行けるのか?不利な条件をクリアしていく姿に注目です。 鈴緒のアドバイスで、打撃に開眼した狛光爾(こまこうじ)は強豪東王学院を春の選抜で優勝に導くほどの打撃手に変貌を遂げていました。あおい坂に立ちはだかるかつての仲間・狛との対決も見ものです。
【あらすじ】チビでいじめられっ子の檜(ひのき)あすなろは、桜高校の野球部の三軍の選手です。三軍とは名ばかりで草むしりなどの雑用ばかりさせられています。そんなある日、監督から、一軍との試合に負けたら解散だと言い渡されてしまいます。かつて甲子園で活躍しながら、選手を使い捨てにする監督を殴って三軍落ちした海堂の厳しくも的確な指導を受け、あすなろたちの潜在能力が開花。努力のかいもあり、一軍との試合であすなろたちの奇跡の快進撃が始まります。
【作品情報】作者は『龍馬へ 幕末の奇蹟 坂本龍馬の物語』『名門! 源五郎丸厩舎』『Dr.NOGUCHI』のむつ利之。講談社『週刊少年マガジン』にて1987年から連載され、1993年に全31巻で完結しています。1989年にはテレビアニメ化もされました。続編には、主人公・あすなろが桜高野球部の監督に就任する『上を向いて歩こう』、再び廃部の危機に立たされた第三野球部を描く『復活!! 第三野球部』があります。
【おすすめするポイント】「クズ」「落ちこぼれ」と蔑まされてきた、あすなろたち第三野球部が、なりふり構わぬ血の滲むような努力で奇跡を起こす。野球版『ロッキー』のような、感涙必至の下剋上の物語。落ち込んだときに読むと、必ずやる気と勇気をもらえる作品です。あすなろたちの奮闘を見守るヒロイン・村下夕子の女神のような優しさも魅力的です。
結果だけがすべてで、結果が出なければ即引退の過酷なプロの世界。生き残っていくための要素は、運か、努力か、戦略か、粘り強さか。男たちが一球一球におのれの人生を賭けるプロ野球を舞台にした5作品です。
【あらすじ】郷原眼力(ごうはらオーラ)は一級のプロ野球のスカウトマン。プロで通用せずスカウトマンになった若手の神木は、選抜ベスト8に導いた東条投手に注目しています。しかし、郷原の関心は東条の控えの投手・桂木選手ありました。郷原は誰もがドラフト1位に指名する選手ではなく、たとえ順位は下位でも、のちに大化けする選手「ドラフトキング」にしか興味がありませんでした。桂木は監督の甲子園優勝の夢のために、野手でありながら控え投手の役割を押しつけられていたのです。5年後、東条と桂木は人気を二分するスター選手に成長していました。
【作品情報】作者は『野球部に花束を ~Knockin’ On YAKYUBU’s Door』『ベー革』『ヤキュガミ』のクロマツテツロウ。集英社『グランドジャンプ』で2018年から連載開始、2024年の3月時点で18巻まで配信されています。2023年にはTVドラマ化されました。
【おすすめするポイント】主人公は選手や監督ではなく、スカウトマン。スカウトマンは選手のどこを見てスカウトを決めるのか? 知っているようで知らないプロ野球のスカウトの世界を教えてくれる漫画です。戦いはグラウンドの外でも行われています。郷原とライバル・毒島との、有望選手の争奪戦が見ものです。
【あらすじ】主人公・渡久地東亜(とくちとうあ)は沖縄では賭野球で無敗を誇り、勝負の相手から大金を巻き上げています。リカオンズに所属する打者・児島弘道も東亜の術中にハマリ敗北します。山ごもりをして精神を研ぎ澄ました児島は引退を賭けて東亜と再戦。児島は捨て身で東亜に勝ち、悲願の優勝のために東亜をリカオンズに入団させます。東亜はオーナー側にワンナウト500万円という、選手側に圧倒的に不利と思われる契約を結びます。しかし、東亜は賭野球で培った勝負強さで次々と打者を打ち取り、あっという間に2億7,000万円を稼ぎます。
【作品情報】作者は『LIAR GAME』『翠山ポリスギャング』『新・信長公記~ノブナガくんと私~』など、人の心理を描く名手・甲斐谷忍。集英社『ビジネスジャンプ』に1998年から連載され2006年に全20巻で完結しています。2008年から2009年にテレビアニメ化されています。
【おすすめするポイント】野球にギャンブル的を要素を持ちこんだ、ありそうでなかった作品。ワンナウト500万で契約した東亜は、敵からもリカオンズオーナーからも煙たがれる存在。敵と味方の心を操って、次々と金を積み上げていく東亜が痛快です。野球漫画だけでなく、ギャンブル漫画が好きな方も楽しめます。
【あらすじ】高校卒業と同時にドラフト最下位でスパイダースに入団した凡田夏之介は、年俸1,800万円の中継ぎ投手です。 凡田の趣味は選手年鑑の選手の年俸を見ること。自分より年棒の低い選手には強いのに、高い選手には打たれてしまうという致命的な欠点が……。しかし、自分の何倍も稼ぐスター選手には思い切って勝負して、なぜか抑えられるという強みもあります。選手寿命はせいぜい20年。その間に、普通の人の生涯賃金を稼がなくてはなりません。結果が出なければ即お払い箱の厳しいプロの世界で凡田は生き残り、銭を稼いでいけるのか? サバイバルのスタートです。
【作品情報】原作者の森高夕次は『おれはキャプテン』『チェイサー』のコージィ城倉の漫画原作時のペンネームです。作画はアダチケイジ(のちに足立金太郎と改名)。講談社『週刊モーニング』にて2011年から連載され、2014年に全17巻で完結しましたが、その後『東京ドーム編』『パ・リーグ編』『大リーグ編』と、凡田のチーム移籍とともに名前を変えてシリーズは継続中です。2018年にはテレビアニメ化され、2シーズンにわたって放送されました。
【おすすめするポイント】それまで野球漫画のタブーだったプロ野球のお金を真正面から描いた唯一無二の作品。体力も運動能力も並の凡田がいかに工夫して選手寿命を延ばし、長くグランドにとどまりお金を残すか。ひたむきな凡田の努力と、お金が気になる小心者ぶりを愛さずにはいられません。食堂の看板娘・ユキちゃんとの恋は成就するのかも気になります。プロ野球の知られざる内部事情も詳しく知ることができるプロ野球ファン必読の漫画です。
【あらすじ】主人公・城戸拓馬は甲子園出場をかけた県の大会で、リトルリーグで犬猿の仲だった猪俣力(つとむ)と再会。 拓馬は猪俣に1本のヒットも許さずきりきり舞いさせます。しかし、結果としては猪俣が甲子園へ行き、活躍してプロ野球ドラフト1位に指名されました。拓馬も猪俣を倒した投手として、スカウトが見学に来るほど注目を浴びていました。 しかし、ドラフトに指名されたのは同じチームの違う選手で、拓馬はドラフトの注目を逸らすためのおとりに過ぎませんでした。スカウトが来なかった拓馬は野球への思いを断ち切れず、独立リーグの選手になっていました。そのチームでもエースになれずくすぶっている拓馬でしたが、あるときチャンスが巡ってきました。
【作品情報】作者は『ぶっちぎり』『タフ』『テルカンボーイズ』の中原裕。小学館『ビッグコミックスピリッツ』で、2015年から2019年まで連載され、全16巻で完結しています。独立リーグから這い上がり、プロ野球一軍にまで昇り詰める雑草魂の野球漫画です。
【おすすめするポイント】現在プロ野球で活躍している選手も、ドラフトで指名された人ばかりではありません。なかには社会人野球や独立リーグでの活躍が認められて昇格している選手もいます。最初から煌びやかなスポットライトを浴びるスター選手もいれば、雑草のように下から這い上がっていく選手もいるのです。主人公の拓馬は雑草派の代表として、地道な練習を続けわずかなチャンスをものにしていきます。雑草魂に勇気をもらえる物語です。
【あらすじ】プロ野球入りをめざす高校生・毒島大広(ぶすじまたいこう)は、163㎞の豪速球を投げる豪腕を持ちながら、その素行の悪さで、どの野球部にも入れてもらえず、学生時代の試合出場経験はゼロ。経歴をごまかしてプロ野球のテストに潜り込むこむも、経歴詐称がバレて不合格。あげくに腹いせに乱闘を起こしたため、高校は退学に。毒島の素質にいち早く気がついたスカウト木暮の手回しで、ドラフト8位で京浜アスレチックスに入団することになります。
【作品情報】作者は『ゴリラーマン』『BECK』『7人のシェイクスピア』など、一度見たら忘れられない個性的なキャラクターを描くハロルド作石。講談社『週刊ヤングマガジン』で1996年から連載が始まり、全12巻で完結しています。
【おすすめするポイント】連載開始が1996年の本作。今ではコンプラ的に存在しえない毒島の大暴れぶりが痛快です。往年の監督や選手の懐かしい顔も登場し、当時のプロ野球を振り返ることができます。素質は抜群なものの、どのチームにも属さず、まともな指導を受けてこなかった毒島。プロになってからようやく本格的な野球の技術の積み上げと、試行錯誤が始まります。野球を通じて人間として、選手として成長する毒島の姿を見守りましょう。
理不尽・不条理が当たり前だった昭和時代の野球部。かたや、最新の野球理論に基づいた科学的なアプローチを掲げる現代の高校野球。徹底的な取材で説得力抜群の、読めば読むほど野球に詳しくなる本格野球漫画を紹介します。
【あらすじ】主人公・狩野笑太郎は夏の甲子園の横羽間高校とDL学園の死闘を見て以来、DL学園野球部に入るためにひたすら練習を積み重ねてきました。予想通り、笑太郎と一緒に入部した選手は全国の名のある強者ばかり。笑太郎は、このメンバーで3年次の甲子園優勝を夢見ます。しかし、寮生活に入って愕然とします。野球部の鉄の掟は「嘘つかない」「陰口言わない」「喧嘩しない」「逢い引きしない」「私語厳禁」「笑顔禁止」など、野球とは関係ないものばかり。笑太郎がふいに笑ったために責任を取ることになった2年生が3年生に殴られているのを見た丸井は、その夜のうちに寮を抜けだし脱落します。
【作品情報】作者はなきぼくろで、読み切り版が講談社『週刊Dモーニング』で掲載されたあと、2014年から講談社『モーニング』で連載開始され、2024年5月時点で40巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】今はなき甲子園の常勝集団・PL学園の寮生活の実態を、実際にPL学園野球部に所属していた作者が書いているので説得力が違います。ある意味、一日で逃げ出した丸井が一番正常な感覚を持っているといえます。自由にものが言えない学園生活には何が待っているのか?知られざるDL学園の秘密が白日の下に……。笑太郎は生きのびていけるのか?
【あらすじ】怪しげな健康食品を高額で売るセールスマン・鳩ヶ谷圭輔は社長にすべての罪を被せられ留置所に入れられます。保釈金を支払い出身元引受け人になったのは、かつて鳩ヶ谷が所属していた彩珠(さいたま)学院野球部の監督で、現在は校長毛呂山でした。13年前、鳩ヶ谷は県大会での審判の明らかなミスジャッジに不満を持ち、審判を殴っていたのです。毛呂山は、1年後に甲子園に出場しないと廃部になる運命の野球部を救うため、鳩ヶ谷を監督に任命します。
【作品情報】原作は『Driving Doctor 黒咲』『鳳』『派遣社員お銀』『獅子紋』の神尾龍。作画は『奈緒子』『ぶっちぎり』『タフ』『WILD PITCH!!!』の中原裕で、コンビ作には『頼りにしてます。』『はぐれもの』『赤松さん』があります。本作は小学館『ビッグコミックスピリッツ』で2004年から2014年まで連載され、全44巻で完結しています。
【おすすめするポイント】鳩ヶ谷監督の基本方針は「さわやか・ひたむき・正々堂々」の禁止。名作『ROOKIES』の川藤先生が性善説の指導法なら、鳩ヶ谷監督の指導法は性悪説に則っています。世の中の闇を味わってきた鳩ヶ谷ならではの、人間の心理の裏を読む指導法で甲子園に行けるのか?
【あらすじ】甲子園出場のために人一倍努力し、実力もあった兄・一郎が地方大会の優勝を逃し、甲子園壁の厚さを思い知った入来ジロー。ジローを下に見ている父や妹は、一郎と同じ高校への進学を反対します。母と一郎は勉強ができるジローに強豪校である私立相模百合ヶ丘学園への進学を勧めます。百合ヶ丘学園の練習は1日50分、月曜日は休み、選手全員がピッチャー出身で、平均140㎞の速球を投げる訓練を受けています。根性主義を植え付けられていたジローは、当初こそ、乙坂(おとさか)真一の科学的根拠に基づいた指導に疑問を持っていましたが、先輩たちの実力を見るうちに考えを改めます。
【作品情報】作者は『ドラフトキング』『ヤキュガミ』『野球部に花束を ~Knockin’ On YAKYUBU’s Door~』のクロマツテツロウ。小学館『ゲッサン』で2021年に連載を開始し、2024年3月時点で5巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】旧来の熱血指導とは正反対の指導法を採るサガユリ野球部。1日50分の練習で、本当に結果が出るのか? 1回聞いただけでは理解できない乙坂理論も、実戦を進めるうちに説得力が増していきます。読むごとに野球の奥深さを知ることができる漫画です。
【あらすじ】黒田鉄平は中学の野球大会敗退後、ギリギリで都立三鷹東高校に入学します。モテたい一心で髪を染めた鉄平でしたが、野球部に入ったとたんに、無理矢理五厘刈りにさせられてしまいます。組長のような監督の絶対的な権力のなか、理不尽な練習やしきたりを強いられます。高校野球部は、白でも黒になる「魔窟」だったのです。
【作品情報】『ドラフトキング』『ヤキュガミ』『ベー革』のクロマツテツロウのデビュー作。2013年から秋田書店『月刊少年チャンピオン』にて連載され、2017年に全9巻で完結しています。2022年には実写映画化されました。
【おすすめするポイント】最新作『ベー革』では科学的根拠に基づいた論理的な練習とアプローチによる最新の高校野球を描く著者が、軍隊のような我慢を押しつけられる「野球部あるある」をギャグを交えて楽しく描いていきます。過去に窮屈な運動部の体験した人なら、うなずく場面が満載。古き悪しき時代の野球部の実態を追体験できます。
汗や涙を流すのはグラウンドだけじゃない。師弟愛、友情、そして淡い恋……2度と戻ってこない青春の日々が、頁をめくれば熱量と共に蘇ってくる。若い命が躍動する野球漫画6作品です
【あらすじ】かつて上杉達也を擁して甲子園優勝を果たした明青学園野球部も、今は見る影もなく低迷しています。中学部2年生の立花投馬と走一郎は誕生日が同月同日なものの、両親の再婚相手の連れ子同士で義兄弟。1つ下の妹・音美も投馬とは血がつながっていないません。投馬と走一郎には二人でバッテリーを組む野望がありながら、野球部に多額の寄付をする大企業社長の息子・二階堂が不動のエースに居座っているために、投馬はずっとサードを担当しています。しかし、大きな壁がついに壊れ、投馬に登板のチャンスが回ってきます。
【作品情報】作者は『タッチ』『みゆき』『クロスゲーム』など、野球と青春ラブコメの巨匠・あだち充。2012年より小学館『ゲッサン少年サンデーコミックス』にて連載中で、2024年5月時点で22巻が配信中です。2019年と2023年にテレビアニメ化され、合計2シーズン放送されました。往年の名作『タッチ』で描かれた明青学園野球部を描く物語です。
【おすすめするポイント】『タッチ』から30年後の明青学園を描いた物語。上杉達也と和也を思わせる、同じ日に生まれた義兄弟、愛犬の名前がパンチ、血のつながらない妹との同居など、著者の往年の名作『タッチ』や『みゆき』を彷彿とさせる設定が、文字通りミックスされています。明青学園は約30年ぶりに甲子園に行けるのか? 兄弟の活躍から目が離せません。
【あらすじ】三橋廉は中学時代、祖父の経営する私立校の野球部にてコネでエースの座に居座り続けた続けた罪悪感によって、高校からは隣りの県の西浦高校へ進学します。過去の引け目からすっかりネガティブな性格になってしまった廉。西浦の野球部は発足したばかりで部員はわずか10人。ここでもエースを任されます。リードの得意な捕手・阿部隆也は正式なピッチングの指導を受けていないため独特に曲がるストレートや、繊細なコントロールなど、廉が身につけている能力を見抜きます。バイト代をすべて野球部に捧げる女性監督・百枝(ももえ)まりあの独自の指導によって、廉やチームメンバーたちは自らの強みを発見し、チームは快進撃を続けていきます。
【作品情報】原作は『ヤサシイワタシ』『家族のそれから』のひぐちアサで、講談社『月刊アフタヌーン』にて2003年に連載開始、2022年12月時点で36巻まで配信中です。テレビアニメも2007年と2010年に2シーズン放送されました。20年以上連載が続く根強い人気の高校野球漫画の人気作です。
【おすすめするポイント】おそらく野球漫画史上最も気弱な性格の主人公・廉が、相棒の阿部や独自の野球理論を持つ百枝監督に力を見出だされ、才能を開花させていく姿が痛快です。試合でも一球一球の考察が丁寧に描かれているため、読んでいるうちに野球に詳しくなり、より楽しく観戦できる新たな視点を与えてくれる作品です。
【あらすじ】スポーツ用品店の息子・樹田村光(こう)とバッティングセンター兼喫茶店の次女・月島若葉は同じ日に同じ病院で生まれた幼馴染み。光と若葉はいつも一緒で相思相愛、将来は結婚する気でいます。光は野球経験はないものの、3歳の頃から毎日バッティングセンターに通い、バッティングだけは続けてきました。一方、月島家の三女・青葉は男子に負けないピッチングができるほど野球に入れ込んでいました。ところが、若葉は水難事故によって11歳の若さで亡くなります。若葉を亡くした喪失感を埋めるために、光は野球に打ち込みます。
【作品情報】作者は『みゆき』『タッチ』『ラフ』のあだち充。幼馴染みとの約束を守り甲子園を目指すという、作者の黄金パターンの一作です。小学館『週刊少年サンデー』で2005年から連載され、2010年に全17巻で完結しています。2009年にはテレビアニメ化され、1年にわたり放送されました。
【おすすめするポイント】往年の名作『タッチ』の男女を逆にしたようなシチュエーションで、亡き若葉を弔うために光と青葉は野球に打ち込んでいきます。甲子園を目指す第2部になってからは、高校に入るまでチームに所属した経験がない光は二軍からスタートし、一軍を倒して甲子園を目指していきます。少々無理な展開でも巨匠の安定のストーリーテーリングでスラスラと読めてしまう快作です。
【あらすじ】かつては野球の強豪校だった二子玉川学園野球部は今は荒れ果て、1年生の起こした不祥事で不良の溜まり場と化していました。校長は問題の生徒を排除するために、前の学校で生徒を半殺しにして休職中の教師・川藤幸一を採用します。川藤は泣く泣く退学した2年生のために、野球経験もないのに野球部の顧問を買って出ます。川藤の熱意に感化されて、荒れていた生徒たちも次第に再び野球に取り組むために集まってきます。そして、夢の甲子園への道へ……。
【作品情報】作者は『ろくでなしBLUES』『べしゃり暮らし』『ザシス』の森田まさのり。1998年から集英社『週刊少年ジャンプ』で連載され、2003年に全24巻で完結しています。2008年にはテレビドラマ化、2009年には実写映画化されて大ヒットしています。
【おすすめするポイント】落ちこぼれ集団が、古いタイプの情熱教師の影響で甲子園の夢に向けて一つになる感動巨編。川藤先生が体を張って、生徒一人ひとりと向き合っていきます。ドラマの川藤先生の決めゼリフは「夢にときめけ!明日にきらめけ!」でしたが、原作の川藤先生は国語教師だけあって文学的教養が深く、ところどころに古今東西の名文を引用しています。川藤語録の語源を調べてみると国語の勉強にもなります。
【あらすじ】超名門シニアチームでバッテリーを組む夏速一汰(なつはやいちた)と虹村優多郎のバッテリーは、最速なのにノーコンのため、万年補欠で3年間を終えました。一方、不動のバッテリー天宮地大と氷波蓮は二人共強気で意見がぶつかることもしばしば。4人は同じ四葉高校に入学しますが、スカウトの田中・M・奏矢から4人をシャッフルすることを提案されます。一汰は蓮のアドバイスでスリクォーターにフォームを変えると、一瞬でノーコンを克服します。一方、優多郎は地大の抜群のコントロールに、初めてキャッチングの楽しさを知ります。このままバッテリーは入れ替わってしまうのでしょうか?
【作品情報】作者は『SAND STORM SLUGGWER』の高嶋栄充で、秋田書店『別冊少年チャンピオン』にて2019年から連載され、2024年4月時点で13巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】選手一個人ではなくバッテリーの相性に注目した、新たな着眼点の作品。長年のバッテリーが入れ替わることで、それぞれのポテンシャルが引き出され、相乗効果を生み出していきます。古い野球観に縛られて、選手の才能の芽を摘み取っていく旧型の指導者を打ち倒していく姿も痛快です。
【あらすじ】西東京シニアのエース左京明日夏は、各高校野球部が注目する有望な選手です。明日夏はかつて父も活躍し、亡き母の願いでもあった豊永実業に進むことを望んでいます。しかし、決勝戦のホームスチールで利き腕である左腕を痛めてしまいます。けがは重傷で、復帰するにはトミー・ジョン手術のあと、2年間のリハビリが必要になります。高校時代を台無しにしてしまう事態ですが、意外にも豊永は明日夏をスカウトします。実は、豊永は明日夏の話を美談とし、広告塔して利用するつもりでした。絶望していた明日夏の前に芸能プロ社長・サニー東山が現れ、1年後に投手に復帰できる方法を教えると言うのですが……。
【作品情報】原作は根本大。作画は『シンパチ-西郷の右腕-』武田五三で、Cygamesが製作しています。Cygames『サイコミ』で2019年から連載され、全19巻で完結しています。
【おすすめするポイント】肘のけがで甲子園への道が絶望的になった明日夏が1年で復帰する方法とは、利き腕と反対の腕からサブマリン投法で投げるという奇想天外な取り組み。反対の腕でピッチングできるようになるほうが、トミー・ジョン手術から復帰するまで長くかかりそうな気がするのですが……。冒頭に明日夏の性格や両親との野球への思いを丁寧に描いたり、今は亡き芸能事務所の名物社長のモデルが登場したり、元メジャーリーガーの監督が登場したりと、リアルに描かれているため「あり得るかも」と思わせる説得力があります。
美少女ばかりの野球チーム、ドラえもんの秘密道具でチート、高校球児に現金1,000万円、野球で戦争など、異色の設定で一気に引き込まれる野球漫画ばかりを集めました。あまり野球に詳しくない方でも楽しめる5作品です。
【あらすじ】飛び抜けた運動神経を持つ綾瀬川次郎は何をやってもその中のトップになり、孤立して上のレベルの教室を勧められ、いろんなスポーツを渡り歩いていました。弱小野球チーム「バンビーズ」のチラシを見て訪れてみると、チームから歓迎されます。やっと自分の居場所を見つけた次郎でしたが、次郎の豪速球をキャッチャーのイガが捕りきれないため、ずっと試合に出られないままです。チームメイトのヤスの父は次郎の素質を見抜き、U-12の日本代表選考会にエントリーします。U-12ではキャッチャーの円という、やっと自分の球を捕れる捕手と出会いますが、バンビーズに戻ってくるとヤスがチームを辞めていました。
【作品情報】作者は平井大橋で、本作が長編デビュー作です。集英社『週刊ヤングジャンプ』で2023年に連載が開始され、2024年6月時点で6巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】野球漫画では、元々の素材は平凡だけれど、たゆみない努力で向上していく主人公が多いなか、本作の主人公・次郎は天才であるが故に孤独を抱えています。自分の才能のために、はからずも他人を傷つけてしまった次郎はますます孤独になっていきます。次郎の心の傷は癒え、本当に信頼できる仲間に出会えるのか? 試合の結果以上に次郎の行く末が気がかりな作品です。
【あらすじ】高校球児・常夏太一は投手としては158㎞の速球、打っては打率7割と、甲子園で大活躍。ところが、プロ入りを期待されていた矢先、甲子園の帰路のバス事故で急逝してしまいます。野球が大好きな「えらい神様」は太一の才能を惜しみ、戦争がわりに野球で勝負をつける異世界ガリアに転生させます。太一はピッチャー・クルーシェを擁する弱小国家フリーダムが狼族の国ヴォルフスムントに大敗する姿を見ます。太一はフリーダムを仕切り、クルーシェを捕手に抜擢して1週間後のヴォルフスムントへの再戦に備えます。
【作品情報】原作はライトノベル『カノジョの妹とキスをした』『超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!』の海空りくで、作画は『WILD WIGHT WEST』の西田拓矢。講談社『月刊少年シリウス』で2021年に連載を開始し、2024年に全10巻で完結しています。
【おすすめするポイント】野球と異世界転生。ありそうでなかった世界観の漫画です。人間族の身体能力はほかの種族より弱いのに、太一は野球の技術が飛び抜けているために異世界の亜人族や悪魔族を圧倒できるのです。スポーツで強弱を決めるというガリアのような世界になればいいのにと願わずにはいられません。
【あらすじ】22世紀になっても野球は人気スポーツ。ドラえもんの友達であるクロえもんは、本来なら「ドラネコ宅配便」のお手伝いロボットのはずなのですが、仕事そっちのけで、草野球チーム「江戸川ドラーズ」での活動に熱中しています。それにも関わらずチームは負け続きで、クロえもんは次の試合に負けたらチーム解散を宣言。チームの秘密兵器は「ドラネコ宅配便」の一人息子・ヒロシでした。宅配の仕事を手伝っているうちに肩が強くなって強肩になっていたのです。ドラーズは勝利できるでしょうか?
【作品情報】作者は藤子・F・不二雄のチーフアシスタントを務めていたむぎわらしんたろうで、他作品には『つるぜ!カメスケくん』『釣りスピリッツ』『ドラえもん物語~藤子・F・不二雄先生の背中~』があります。小学館『月刊コロコロコミック』に2000年から連載され、2011年に全23巻で完結しています。続編『新ドラベース』は2012年から連載され全4巻で完結しています。
【おすすめするポイント】藤子・F・不二雄のチーフアシスタントだったむぎわらしんたろうが描く『ドラえもん』のスピンオフ野球漫画。 新たに、1試合に3つ秘密道具を使ってよいというルールが加わっています。クロえもんをはじめ、ドラえもんから派生した個性的な猫型ロボットが活躍。毎回ユニークな敵チームとの戦いや、新たな必殺打法や投法が登場して楽しませてくれます。
【あらすじ】武田詠深(よみ)は高校に進学し、小学生時代に野球をやって遊んでいた山崎珠姫(たまき)と再会します。珠姫は突然転校していたのです。詠深は小学生のときには魔球を編み出していたものの、捕手がボールをキャッチできず魔球を封印していたため、中学時代は1回戦止まりでした。珠姫は転校後野球チームに入り捕手になり、詠深の魔球もキャッチできる腕前になっていました。消えかかっていた詠深の野球への情熱が再び燃え上がります。 しかし、野球を始めるメンバーはマネージャーを含め、たった4人。諦めず練習しているうちに一人、また一人とメンバーが増えていきます。
【作品情報】作者は『ななゆり』『ぷくゆり』『あまゆる。』で美少女ばかりを描いてきたマウンテンプクイチ。美少女×野球という発想が大当たり。芳文社『まんがタイムきららフォワード』で2016年から連載され、2024年4月時点で15巻配信中です。2020年にはテレビアニメ化されています。
【おすすめするポイント】美少女ばかりを描くマウンテンプクイチだけあって、登場する選手はみんな可愛くて花盛り。外部の監督やコーチがいないまま、選手だけで相談してチームを強化していきます。躍動する少女たちの姿を見ているだけでも眼福ですが、練習や試合の描写は野球漫画ファンでも納得できる本格的です。
【あらすじ】創立100周年を迎えた樫野高校は記念の年に甲子園に出場するために盛り上がっていました。しかし、監督の無策や期待とプレッシャーに押しつぶされたエースで4番の中村は、地方大会決勝戦で限界を迎え、甲子園出場を逃してしまいます。中村の様子を傍らで見ていた次期キャプテン・七嶋裕之は、監督をはじめ野球部に群がっていた大人たちは誰も本気で選手に向き合ってなかったことに気づきます。そんなとき、七嶋は野球部の練習を毎日見学に来ていた老人「トクさん」から甲子園に出場するために役立てくれと現金1,000万円を託されます。
【作品情報】作者は『ドラゴン桜』『インベスターZ』『アルキメデスの大戦』の三田紀房。2010年から講談社『週刊ヤングマガジン』で連載され、全25巻で完結しています。高校球児は老人から託された現金1,000万円をどのように使うのか?
【おすすめするポイント】デビュー時には野球をテーマにした作品を多く手がけていた三田紀房が、高校野球とお金をテーマとし、のちの「インベスターZ」へとつながる野球漫画です。「トクさん」に1,000万円を託された七嶋ですが、「地方大会に優勝して甲子園出場するまでお金には手をつけない」と誓い、現金をグラウンドに埋めます。果たして樫野野球部はお金を使わないまま甲子園へ行けるのか? 最後まで目が離せません。高校野球とお金の事情がわかる野球漫画です。
グラウンドには、人生のすべてが詰まっている。だからこそ野球漫画は面白い。
弱小チームが努力によって強くなっていく王道漫画から、科学的アプローチで効率的に強くなる最新の漫画まで 幅広く30作品を紹介しました。努力、友情、勝利だけでなく、新たな視点から、バラエティに富んだ野球漫画が続々と生まれています。これからも野球漫画から目が離せません。シーモアで野球漫画をたっぷり堪能してください。