終わりのセラフ
」のレビュー

終わりのセラフ

鏡貴也/山本ヤマト/降矢大輔

坂東武者系主人公

2018年4月29日
終わりのセラフは一見シンプルな世界観の下に、読み込む程深い設定やキャラの心情が組み込まれてるのが魅力的です。特に小説版の話と繋げてどんどん広がる世界観にはただ引き込まれます。
何処か壊れてるからこそ破滅した世界で輝きを放つ登場人物達も魅力的。
特に主人公の百夜優一郎は今迄の少年漫画の主人公にはいなかったタイプというか、いわゆる熱血系主人公とは似て異なるタイプで、ただ自分が信じる「愛する家族」だけに興味が有りそれ以外には興味が無い。
愛する者だけを一心不乱に見て、その為には敵の命も自身の命も、他人の命も顧みない。何処か狂気めいた蛮勇と優しさは多くの者を犠牲にもすれば、彼だからこそ救える他の者には救えない諸刃の強さを持って居ます。
その様は正しく「一所懸命」な鎌倉武士の如くで、坂東武者の誉れとも言うべき主人公が今後世界に何を成す者なのか見届けたいと思います。
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