ザ・シェフ
」のレビュー

ザ・シェフ

剣名舞/加藤唯史

実はグルメ漫画の王道

2018年5月11日
この作品のネガティブポイントの一つは、「ブラックジャックに似すぎ!」という点だろう。
つまり、「金にガメついはずの主人公が、料金を払えない貧乏人をも、実は裏でこっそり助けてあげる人情話」だ。
それは、作者の当初からの狙いだと聞く。
しかし、主人公の風貌から性格まで、何から何まで間黒男にそっくりにしたのは、やりすぎではなかろうか。

とはいえ、シナリオのクオリティはわりと安定していて、「ブラックジャック」よりもよく出来ていると感じさせられるエピソードもある。
半面、「いくらなんでも、料理を食べたくらいで、こうはならないよね」という、無茶な話も多々あるが、まあ、それはグルメ漫画の宿命か。

「ブラックジャックの料理版」であることは間違いないが、いわゆるパロディではない。
これがグルメ漫画の代表格かといえば疑問だが、グルメ漫画の王道にはあると感じる。このジャンルの中で決して無視のできない一本だと思う。
いいねしたユーザ4人
レビューをシェアしよう!