レビュー
今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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リサリサ(ジョジョの奇妙な冒険)顔負け2025年4月22日2巻まで購読しての感想。
かつて、ここまで若々しく描かれたアラフィフ女性がいただろうか?!
私には「ジョジョの奇妙な冒険」に登場するリサリサ先生しか思い浮かばない。
さて、悪評も多いご存知「美味しんぼ」だが、初期のエピソードには素晴らしいものがある。
「トンカツ慕情」「母なるリンゴ」などは、料理のうんちくも学べる上に、胸にジンとくる〝いい話〟に仕上がっている。
原作者の雁屋哲も、当時は名人芸を見せていたのだ。
雁屋のような芸当は、誰にでもできるわけではない。
料理の豆知識を調べて描くだけでも簡単ではないし、人の心を打つ物語を作るのは一苦労。
ましてそれを高い次元で掛け合わせるなど至難の業だ。
「どうぞごじゆうに」は、漬け物の話も、アラフィフ女性の悲喜も、まったく描き足りていない。
現状、雁屋の足元にも及んでいないが、発酵食品は時が経つほど美味しくなるもの。しばし待つことにしよう。いいね
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徳弘正也「ターちゃん」の偉大さが分かる2018年11月7日「ブラックティガー」は、絵がダメだ。
紡ごうとしている物語に対して、致命的に合っていない。
秋本氏が若いころの、まだ両さんが劇画調で描かれていた頃のタッチでないと、無理だ。
そういえば徳弘正也氏の「ジャングルの王者ターちゃん」は、ギャグ路線で始まったマンガだったが、ギャグ要素を多少残しつつも、途中からバトル路線、シリアス路線に切り替わった。
徳弘氏はその切り替えをうまくやってのけた。
秋本氏は、この物語に合う絵が描けるようになるまで、連載開始するべきではなかった。
残念に思う。
なお、この物語自体が面白いかどうかも疑問ではある。 -
第31話「遭難クッキング」について2018年7月27日「マイナス」は、以前、紙の単行本で全巻を持っていた。
この「完全版」では、第31話「遭難クッキング」が収録されている。人肉食というショッキングな内容が描かれ、週刊誌連載中に回収騒動を巻き起こした、いわくの一話だ。
作者からすると、黒歴史なのか、武勇伝なのか。
あらためてこの第31話(3巻に収録)を読んでみると、異物感がひどい。
不謹慎だからどう、という意味ではなく、主人公の変貌ぶりが前後のエピソードと比べて唐突すぎる。行為も、あまりに現実離れしている。
この回は、むしろ無い方が、「マイナス」という作品のクオリティの面で、よかったのではないか?
「ウルトラセブン」も、第12話は欠番だ。裏ビデオが販売されるほどレアな回だが、実際に見てみたら、とにかく「つまらなかった」ことを覚えている。 -
実はグルメ漫画の王道2018年5月11日この作品のネガティブポイントの一つは、「ブラックジャックに似すぎ!」という点だろう。
つまり、「金にガメついはずの主人公が、料金を払えない貧乏人をも、実は裏でこっそり助けてあげる人情話」だ。
それは、作者の当初からの狙いだと聞く。
しかし、主人公の風貌から性格まで、何から何まで間黒男にそっくりにしたのは、やりすぎではなかろうか。
とはいえ、シナリオのクオリティはわりと安定していて、「ブラックジャック」よりもよく出来ていると感じさせられるエピソードもある。
半面、「いくらなんでも、料理を食べたくらいで、こうはならないよね」という、無茶な話も多々あるが、まあ、それはグルメ漫画の宿命か。
「ブラックジャックの料理版」であることは間違いないが、いわゆるパロディではない。
これがグルメ漫画の代表格かといえば疑問だが、グルメ漫画の王道にはあると感じる。このジャンルの中で決して無視のできない一本だと思う。 -
大失敗作2018年4月26日日本にJリーグが誕生した矢先、
大好きだった翼が、ついにジャンプに帰ってきた。
ワクワクしながら読んだけれど、二度目のブームを起こすことはできなかった。
かつては、「翼」が日本にサッカーブームを生んだ。
しかし、言いたくはないが、今回は「翼」がサッカーブームに乗っかる形で帰ってきただけだ。
だから、連載が進むにつれ、どんどん話がつまらなくなっていく。
・新キャラクター、葵新伍は要らなかった
・RJ7も要らなかった
・タイや中国は、あんなに強くなくてよかった
・現実離れしたアクロバットなシュートは、もう見たくなかった
・イタリアがザコチーム扱いとか、納得感がなかった
・翼の必殺技と、日向の必殺技が同一だということに、心底がっかりした
・国際大会の決勝戦に、チームメイトも知らない選手が出場するとか、笑うしかなかった -
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大ファンでした2018年4月26日ジャンプ連載時、第1話からずっと欠かさず読み続けました。
ギャラクシアン・ウォーズの頃は人気も低迷していて、打ち切りピンチもあったと思うけど、「白銀聖衣」編あたりから盛り返し、「黄金聖衣」編でブレイクしたね。
特に、獅子座アイオリア、乙女座シャカとの2連戦は、それまでの伏線も効いて、よい出来だったよ。
アニメ化で、女性ファンが増えたのも大きかったね。
おもちゃも売れた。
しかしその後は失速。
「ポセイドン編」は、「黄金聖衣」編をまさに水で薄めたような出来。
「ハーデス編」は、さらに劣化。
お話づくりの点でも、絵の表現力の点でも、車田正美という作家の限界を見た気がしたよ。
「黄金聖衣」編で終わっていれば、伝説になっていた作品。 -
こういうのが「伝説のマンガ」だよ2018年4月25日少年ジャンプで、数週で打ち切られた作品の中でも、存在感はトップクラスだろう。
この漫画が、子供に受けなかった理由は、いくらでも挙げられる。
ただ、エロ要素はそのままで、グロ要素をもう少し調整できれば、
その後の「地獄先生ぬーべー」のように、子供にも受け入れられた可能性があったのでは……?
でも、それをやらなかったから、この作品は伝説なんだ。
そして、それをやらないのが、巻来功士なんだな。
俺はこの作品が、巻来功士の最高傑作だと思っている。
「ゴッドサイダー」ではなく、「メタルK」こそ続編を描かかれるべきだ。
あるいはもはや別の作家でもいいから、リメイクしてほしい。
愛すべき冥神慶子に、きちんとしたラストを提供してくれ。 -
ジャンプ連載時に愛読2018年4月25日今回、電子書籍で全巻買い直した。
ジャンプ連載時、短期間で終了したのが信じられなかったし、許せなかった。
それくらい好きだったな。
(かずはじめの作品は、これだけしか好きじゃないのだが…)
いま読み直してみると、欠点にも気づく。
たとえば、「心の傷」がテーマだが、やたらと女性・子供が暴行される話が多い。
これはアイディア不足と言われてもしようがないだろう。
幼児向け「ハートキャッチプリキュア!」では、「心の傷」を抱えた人もかなりバラエティに富んでいたぞ。
また、主人公がASASSIN(暗殺者)というわりには、能力をぜんぜん隠さずに生活していたり、行動に隙が多いのも、気になるね。
というわけで、新しい読者が今からこれを読む価値はあまりないのかもしれない。
しかしそれでも、当時のジャンプでは間違いなく異彩を放っていたんだよ。 -
次作「一人交換日記」と併せて読もう2018年4月25日この手のノンフィクション漫画は多々あるが、まずタイトルが抜群。
最後の「レポ」は無い方がよいと思うが、とにかくレズ風俗という単語が目を引くし、この絵柄だから女性も安心して手に取れる。
話題になったのも頷けるね。
ただ、レズ風俗そのものは、この作品の真のテーマではなかった。
レズ風俗がどういうものなのか詳しく知りたいと思って、この作品を読み始めた人は、がっかりするかもしれない。
また、作者の置かれた状況(病状)は「ちょっとさみしい」程度ではなく、想像以上にキツいもの。
かつ、スッキリするラストは用意されておらず、「この作者は、まだ危険な状態にあるんじゃないの?」と感じてしまう。ちなみにその予想が当たっていることは、次作「一人交換日記」を読めば分かる。 -
病的2018年4月18日作者の大月悠祐子は、家族のことをネタに描いている。
それも、「自分はこんなに虐げられていた」というエピソードばかりだ。
3巻まで読み進めた段階で、私はそれを「卑怯だな」とも「やりすぎだな」とも感じた。
たとえ家族に恨みや不満があったとしても、それは家庭内で解決するべきであり、不特定多数へ発信するものではないからだ。
ところが4巻を読むと、まさにそのことがネタにされているではないか。(実父から「母親のことは描くな」と言われたエピソード)
この作品は恐ろしい。
果たして大月悠祐子は、まともな精神状態のもとで、これを描いているのだろうか?
最後にどうまとめるつもりなのだろうか?
それがまるで分らない。
計算づくでやっているなら、大傑作になる可能性もあるが、
今は「病的」なものを強く感じる。 -
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失敗作だと思う2018年4月18日「いぬやしき」はつまらない。
そう決定的に感じたのは、3巻の「やくざ」シリーズだ。
弁当屋の女の子が、やくざの鮫島に襲われるエピソードだが、このシリーズ第1話は完成度が高い。
いきなり登場した鮫島というキャラクターに、背筋も凍る不気味さがあった
「ウシジマくん」の滑川さんだって逃げ出す、強烈な「悪」だ。
このキャラクターを使って、誰も見たことがないような、無茶苦茶な展開だって描けたはずだ。
しかし、作者はそこへ踏みこまなかった。
強烈な「悪」を登場させておきながら、彼を使い尽くさなかった。
そして、訪れるあまりに凡庸な結末。
アイディアが浮かばなかったのか。
それとも、浮かんだアイディアを使えない事情があったのか。
いずれにしても「やくざ」編は、キャラクターは奇抜なのに、お話は凡庸。
それはそのまま、私の「いぬやしき」という作品全体への評価でもある。 -
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「どうせつまんねー」という偏見を解体!2018年3月9日コミック第1巻の表紙を見てほしい。
肉体労働者が重機か何かを運転しているシーンだ。
ははーん、このメットを被った太ったおっさんが、
酒や博打に溺れたり、
つまらないことでケンカをしたりするような
ド底辺生活を描いた作品なんだろうなぁ。
………なーんて偏見を、俺も持ってしまっていた。
おまけにタイトルは「解体屋ゲン」。
どう考えたって面白いわけがない。
そんな偏見を、見事に「解体」してくれたのが、ゲンさんだ。
傑作だよ。
掲載誌の関係から、ムダなエロシーンも多少あるし、
石井さだよし氏の絵柄も、やや古さは感じるだろうが、
とにかく一話、一話のクオリティが安定している。
キャラクターの魅力と、適度に熱いドラマに引き込まれる。
名人芸の域だと思う。 -
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魅力的なキャラクターがいっぱい2018年2月16日44歳おっさんの感想。
映画も見ていません。ドラマも見ていません。
ただ何となく、「そんなに繰り返しメディア化されるんだったら、面白いのかな」と読み始めてみました。
とても気に入り、最終巻まで一気に読み終えました!
主人公の月海ちゃんがまず魅力的で、その周囲を固める個性的な面々もいいですね。
終盤の展開(シンガポールの社長が登場して以降)は、テーマも深く(重く)なり、性愛的な匂いも漂い始め、「いったいどうなってしまうのか」と。
そう思わせておきながら、急速に風呂敷が畳まれていき、しりすぼみに終わってしまった感があります。
シンガポール編は本当にあれでよかったのか?
もっと面白く盛り上げられたのでは?
でも、そこを差し引いても、たいへん楽しめました。 -
アラフォー以上にオススメ2016年8月17日全27巻とも購読済。
島耕作シリーズの弘兼憲史が「黄昏流星群」以前に描いた作品。本作では、弘兼氏は絵のみの担当のようで、原作を脚本家の矢島正雄氏が手掛けている。
全27巻・全232話ともなると、さすがに「あまり面白くないなぁ」「似たような話だなぁ」というものも少しは混ざっている。
しかし、全体のクオリティは高い。
「黄昏流星群」が好きで、もっとクオリティの高い「黄昏~」が読みたいという方にオススメしたい。
なにしろ「黄昏~」は、確かに面白いが、一つのストーリーを5話、6話に亘って引き延ばしている点が気に食わない。
その点、「人間交差点」は基本的に一話完結型(わずかに前編・後編に分かれたエピソードもあるが)。
描かれているのも「老いらくの恋」だけでなく、「人間模様」をキーとした様々なエピソードが詰まっている。なにしろ第1話からして、いきなり刑務所内の女囚が、我が子を憎み、殺そうとする話なのである。
というわけで、中身の濃さでは「黄昏~」に勝っている本作だが、1980年代の作品なので、当時の世相が理解できていないとピンとこない内容ではある。
つまり、アラフォー、アラフィフにオススメ、ということだろう。 -
面白いのは第1話まで。2016年7月27日全5巻とも購読済。
内容は、現代版「必殺・仕事人」。
母親が暴行され、幼い子が殺されるという第1話はかなり衝撃的だ。
ただ、結局、この第1話を超えるエピソードは出てこなかった。
不思議なもので、テレビドラマの「必殺・仕事人」なら、毎回代わり映えがしなくても(マンネリでも)、視聴者に許されるところがある。
しかしこれが連載マンガになると、犯罪の手口や、主人公の復讐法をどんどん過激にしていかないと、やはり読者に飽きられてしまう。
内容にしても描写にしても、過激にするにも限度があるのだから、連載を長期化させるのはもともと難しい題材だったということだろう。
途中で主要登場人物を増やすなどのテコ入れもしているが、効果的なものではなかった。むしろ作品が妙にウェットになってしまっていて、「味」を薄れさせている。 -
伝説の「メタルK」作者が、当時を語る2016年7月27日週刊少年ジャンプでは、短期で打ち切られたマンガなんか、山ほどある。
でも、この42歳のオッサン(私)が未だにトラウマ的に記憶しているのが「メタルK」だ。
少年読者の度肝を抜く、ホラーアクション。
あれは、時代が早すぎたのか。あるいは、連載誌を間違えたのか……。
ともあれ、「連載終了!少年ジャンプ黄金期の舞台裏」は、作者・巻来功士さんが当時の自分を描くという自伝マンガです。
永井豪さんの「激マン!」みたいなものですね。
巻来功士さんに興味がある方は、購読して損はないと思います。
もっと暗い、どろどろした吐露のようなもので埋め尽くされているのかと思いきや、案外、あっさりと、さわやかに描かれています。
そこは期待と違うなぁと思いました。 -
「ミナミの帝王」と併せて読みたい2016年7月27日36巻まで購読済。
「ミナミの帝王」(好きです)と同じ題材だが、あちらは重く暗いテーマを気楽に読ませる「軽さ」が味になっている。
描写も大げさで、はったりが効いている。「そんなバカなー」と笑い飛ばせる点で、とてもマンガ的なマンガだ。
一方の「ウシジマくん」は重い。ひたすら重い。
「いるいる、こんな奴」ならまだいいが、エピソードによっては「自分も一歩間違えればこうなっていたかも…」と、背筋に冷たいものが走る瞬間も。
ただ、そういった面白さが、「ヤクザくん」編の前後から薄れてきてはいないか? エピソードが現実離れしてきているように思う。
闇金業者とヤクザの抗争を描かれても、「自分も一歩間違えればこうなっていたかも…」的な怖さは感じられない。
まだまだ描いていないネタ(社会の病巣)はあるはず。
ここからどう展開していくのか、楽しみに見守りたい。 -
40歳前後のおっさんにお勧め2016年7月7日19巻まで購読済。
こちらは、40代のおっさんです。
久しぶりにスピリッツを立ち読みして、「どれもこれもつまんねー」と思っていた中、一つだけ魅力的な作品がありました。
それがこれ。「あさひなぐ」。
ボクシングの「はじめの一歩」ってあるでしょう。弱い子が、努力・努力でどんどん強くなるあのマンガ。
あれの女の子版、なぎなた版だと思えばいいの。
でも、「はじめの一歩」はアホみたいに展開が遅いでしょう?
「あさひなぐ」はそうじゃないよ。19巻まで読んだけど、作中の時間の流れがとても自然。春夏秋冬ごとにドラマがあり、主人公もちゃんと年を取ります。
お話も、絵も、魅力的。
作者のこざき亜衣さんは、これが初めての長期連載作品らしいが、なかなかどうして、もはや名人の域です。
男女問わずに読んでほしい作品だけど、しいていえば俺みたいな、おっさんにこそ向いているはず。
だっておっさんは、「若い女の子が、けなげに頑張る話」が絶対好きだからね。