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今月(4月1日~4月30日)

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シーモア島
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  • どうぞごじゆうに~クミコの発酵暮らし~【電子単行本】

    いのうえさきこ

    リサリサ(ジョジョの奇妙な冒険)顔負け
    2025年4月22日
    2巻まで購読しての感想。

    かつて、ここまで若々しく描かれたアラフィフ女性がいただろうか?!
    私には「ジョジョの奇妙な冒険」に登場するリサリサ先生しか思い浮かばない。

    さて、悪評も多いご存知「美味しんぼ」だが、初期のエピソードには素晴らしいものがある。
    「トンカツ慕情」「母なるリンゴ」などは、料理のうんちくも学べる上に、胸にジンとくる〝いい話〟に仕上がっている。
    原作者の雁屋哲も、当時は名人芸を見せていたのだ。

    雁屋のような芸当は、誰にでもできるわけではない。
    料理の豆知識を調べて描くだけでも簡単ではないし、人の心を打つ物語を作るのは一苦労。
    ましてそれを高い次元で掛け合わせるなど至難の業だ。

    「どうぞごじゆうに」は、漬け物の話も、アラフィフ女性の悲喜も、まったく描き足りていない。
    現状、雁屋の足元にも及んでいないが、発酵食品は時が経つほど美味しくなるもの。しばし待つことにしよう。
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  • 前科者

    香川まさひと/月島冬二

    期待したが、ついに盛り上がらなかった
    2024年12月27日
    やがて映画化されることでも分かるように、保護司という役割にスポットライトを当てた、たいへんユニークな作品。
    「前科者」という不穏なタイトルもいい。
    だが、どのエピソードもお話がまったく盛り上がっていかない。サスペンスとしてもヒューマンドラマとしても弱い。
    面白い材料をたくさん並べたものの、さてどう調理するべきなのか、……という作者の迷いが最初から最後まで感じられた。
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  • 聲の形

    大今良時

    大傑作
    2023年1月19日
    読む前は「どうせ綺麗ごと」と思っていたが、読後の印象はまるで違う。
    7巻まで一気に読み終えてしまった。
    縦糸(ストーリー)も、横糸(演出)も、とにかく巧い。
    巧みに張られた伏線にも感心する。

    フィクションならではの強引な展開もあるにはあるし、
    ヒロインが「いい子すぎる」点も現実離れしてはいるが、
    それも含めて、一級の映画を見終えたような満足感。
    大傑作。
  • あせとせっけん

    山田金鉄

    思っていたのと違った
    2019年3月6日
    他の皆さんは絶賛の嵐だが、僕は面白くないと思う。

    絵は可愛い。
    アイデアはユニークだし、最初の1話目こそ楽しく読めたが
    その後は結局、ただの恋愛モノで、しかもお話に何の波風も立たない。

    主人公二人が交際するのが早すぎる。
    体で結ばれるのも早すぎる。
    そこはもう少し、紆余曲折を設けて引っ張ってほしいものだ。

    繰り返すが、絵はよい。
  • 謎の彼女X

    植芝理一

    最初の1~2巻までは、まあ読めるが
    2018年12月28日
    いちおう全巻購入しての感想。

    変態じみた設定の面白さ、うまい匙加減のお色気などで、最初のうちはまあまあ楽しく読み進められる。
    でも、卜部美琴のニセモノが出てくる前後から失速。

    まあ、これはどうしたって読み切り向きの話だよ。
    長期連載には耐えられなかった感がある。
  • 痛快あばれブン屋

    猿渡哲也

    本格連載の前の作品
    2018年11月7日
    その後、「あばれブン屋」として連載開始となる作品の、前の作品。「あばれブン屋」が好きな人なら、一読の価値あり。
  • あばれブン屋

    猿渡哲也/林日出夫

    グロ描写、性描写がいちいちキツすぎる
    2018年11月7日
    話は面白い。
    ブンさんのキャラクターも魅力的だ。
    ただし、グロ描写、性描写がいちいちキツすぎるので、
    読者を選ぶ作品だろう。

    なお、この手の社会派作品はだいたいそうだが、
    エピソードは、初期のころの方が面白く、
    後半はだんだんとネタギレ化、マンネリ化していっている。
  • BLACK TIGER ブラックティガー

    秋本治

    徳弘正也「ターちゃん」の偉大さが分かる
    2018年11月7日
    「ブラックティガー」は、絵がダメだ。
    紡ごうとしている物語に対して、致命的に合っていない。

    秋本氏が若いころの、まだ両さんが劇画調で描かれていた頃のタッチでないと、無理だ。

    そういえば徳弘正也氏の「ジャングルの王者ターちゃん」は、ギャグ路線で始まったマンガだったが、ギャグ要素を多少残しつつも、途中からバトル路線、シリアス路線に切り替わった。
    徳弘氏はその切り替えをうまくやってのけた。

    秋本氏は、この物語に合う絵が描けるようになるまで、連載開始するべきではなかった。
    残念に思う。



    なお、この物語自体が面白いかどうかも疑問ではある。
  • マイナス 完全版

    山崎紗也夏

    第31話「遭難クッキング」について
    2018年7月27日
    「マイナス」は、以前、紙の単行本で全巻を持っていた。

    この「完全版」では、第31話「遭難クッキング」が収録されている。人肉食というショッキングな内容が描かれ、週刊誌連載中に回収騒動を巻き起こした、いわくの一話だ。
    作者からすると、黒歴史なのか、武勇伝なのか。

    あらためてこの第31話(3巻に収録)を読んでみると、異物感がひどい。
    不謹慎だからどう、という意味ではなく、主人公の変貌ぶりが前後のエピソードと比べて唐突すぎる。行為も、あまりに現実離れしている。
    この回は、むしろ無い方が、「マイナス」という作品のクオリティの面で、よかったのではないか?

    「ウルトラセブン」も、第12話は欠番だ。裏ビデオが販売されるほどレアな回だが、実際に見てみたら、とにかく「つまらなかった」ことを覚えている。
  • ザ・シェフ

    剣名舞/加藤唯史

    実はグルメ漫画の王道
    2018年5月11日
    この作品のネガティブポイントの一つは、「ブラックジャックに似すぎ!」という点だろう。
    つまり、「金にガメついはずの主人公が、料金を払えない貧乏人をも、実は裏でこっそり助けてあげる人情話」だ。
    それは、作者の当初からの狙いだと聞く。
    しかし、主人公の風貌から性格まで、何から何まで間黒男にそっくりにしたのは、やりすぎではなかろうか。

    とはいえ、シナリオのクオリティはわりと安定していて、「ブラックジャック」よりもよく出来ていると感じさせられるエピソードもある。
    半面、「いくらなんでも、料理を食べたくらいで、こうはならないよね」という、無茶な話も多々あるが、まあ、それはグルメ漫画の宿命か。

    「ブラックジャックの料理版」であることは間違いないが、いわゆるパロディではない。
    これがグルメ漫画の代表格かといえば疑問だが、グルメ漫画の王道にはあると感じる。このジャンルの中で決して無視のできない一本だと思う。
  • キャプテン翼 ワールドユース編

    高橋陽一

    大失敗作
    2018年4月26日
    日本にJリーグが誕生した矢先、
    大好きだった翼が、ついにジャンプに帰ってきた。
    ワクワクしながら読んだけれど、二度目のブームを起こすことはできなかった。

    かつては、「翼」が日本にサッカーブームを生んだ。

    しかし、言いたくはないが、今回は「翼」がサッカーブームに乗っかる形で帰ってきただけだ。



    だから、連載が進むにつれ、どんどん話がつまらなくなっていく。
    ・新キャラクター、葵新伍は要らなかった
    ・RJ7も要らなかった
    ・タイや中国は、あんなに強くなくてよかった
    ・現実離れしたアクロバットなシュートは、もう見たくなかった
    ・イタリアがザコチーム扱いとか、納得感がなかった
    ・翼の必殺技と、日向の必殺技が同一だということに、心底がっかりした
    ・国際大会の決勝戦に、チームメイトも知らない選手が出場するとか、笑うしかなかった
  • キャプテン翼

    高橋陽一

    大ファンでした
    2018年4月26日
    いま読み返せば、話のアラも多々あるが、
    間違いなく、日本にサッカーブームを巻き起こしたのはこの作品。

    終盤のワールドジュニアユース編が、いまいち盛り上がらなかった。
    だから連載打ち切りに繋がった。
    ただ、そこまでダメなシリーズだっただろうか。
    これまで描いてこなかった、誤審、ホームアドバンテージ問題、イエローカード、PK戦まで盛り込んだ「準決勝 フランス戦」は、なかなか力作だ。
    (結果、次の決勝戦が地味になってしまうわけだが)
  • SILENT KNIGHT 翔

    車田正美

    連載を許した、集英社が悪い
    2018年4月26日
    車田正美にとって、ヒット作「聖闘士星矢」に続くジャンプ連載作品。

    第1話を見ただけで、「ああ、これはすぐ打ち切られるな」と予測がつく。

    「星矢」とまるで違うものを描けとは言わないが、
    なぜこんな、何から何まで似たようなものを 続けざまに描いたのか。

    これなら、「星矢」の新作を描いた方がまだ可能性があったかもしれない。
  • 聖闘士星矢

    車田正美

    大ファンでした
    2018年4月26日
    ジャンプ連載時、第1話からずっと欠かさず読み続けました。
    ギャラクシアン・ウォーズの頃は人気も低迷していて、打ち切りピンチもあったと思うけど、「白銀聖衣」編あたりから盛り返し、「黄金聖衣」編でブレイクしたね。

    特に、獅子座アイオリア、乙女座シャカとの2連戦は、それまでの伏線も効いて、よい出来だったよ。

    アニメ化で、女性ファンが増えたのも大きかったね。
    おもちゃも売れた。



    しかしその後は失速。
    「ポセイドン編」は、「黄金聖衣」編をまさに水で薄めたような出来。
    「ハーデス編」は、さらに劣化。
    お話づくりの点でも、絵の表現力の点でも、車田正美という作家の限界を見た気がしたよ。



    「黄金聖衣」編で終わっていれば、伝説になっていた作品。
  • メタルK

    巻来功士

    こういうのが「伝説のマンガ」だよ
    2018年4月25日
    少年ジャンプで、数週で打ち切られた作品の中でも、存在感はトップクラスだろう。

    この漫画が、子供に受けなかった理由は、いくらでも挙げられる。

    ただ、エロ要素はそのままで、グロ要素をもう少し調整できれば、
    その後の「地獄先生ぬーべー」のように、子供にも受け入れられた可能性があったのでは……?

    でも、それをやらなかったから、この作品は伝説なんだ。
    そして、それをやらないのが、巻来功士なんだな。

    俺はこの作品が、巻来功士の最高傑作だと思っている。

    「ゴッドサイダー」ではなく、「メタルK」こそ続編を描かかれるべきだ。
    あるいはもはや別の作家でもいいから、リメイクしてほしい。
    愛すべき冥神慶子に、きちんとしたラストを提供してくれ。
  • MIND ASSASSIN

    かずはじめ

    ジャンプ連載時に愛読
    2018年4月25日
    今回、電子書籍で全巻買い直した。

    ジャンプ連載時、短期間で終了したのが信じられなかったし、許せなかった。
    それくらい好きだったな。
    (かずはじめの作品は、これだけしか好きじゃないのだが…)


    いま読み直してみると、欠点にも気づく。
    たとえば、「心の傷」がテーマだが、やたらと女性・子供が暴行される話が多い。
    これはアイディア不足と言われてもしようがないだろう。
    幼児向け「ハートキャッチプリキュア!」では、「心の傷」を抱えた人もかなりバラエティに富んでいたぞ。

    また、主人公がASASSIN(暗殺者)というわりには、能力をぜんぜん隠さずに生活していたり、行動に隙が多いのも、気になるね。


    というわけで、新しい読者が今からこれを読む価値はあまりないのかもしれない。
    しかしそれでも、当時のジャンプでは間違いなく異彩を放っていたんだよ。
  • 一人交換日記

    永田カビ

    前作「レズ風俗」を読んだ人だけが、読めば
    2018年4月25日
    この作者の前作「さびしすぎてレズ風俗~」を読んだ人だけが、読めばいい作品。
    そうでないと、何が何だか、ついていけない話だろう。

    全2巻だが、マンガとしてちゃんと読めるのは、1巻。

    しかし、忘れがたいのは2巻めの方。
    2巻は、危険だ。
    ひじょーに危険。

    あれを狙って描いていたら天才だが、おそらくそうではないのだろう。
  • さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

    永田カビ

    次作「一人交換日記」と併せて読もう
    2018年4月25日
    この手のノンフィクション漫画は多々あるが、まずタイトルが抜群。
    最後の「レポ」は無い方がよいと思うが、とにかくレズ風俗という単語が目を引くし、この絵柄だから女性も安心して手に取れる。
    話題になったのも頷けるね。

    ただ、レズ風俗そのものは、この作品の真のテーマではなかった。
    レズ風俗がどういうものなのか詳しく知りたいと思って、この作品を読み始めた人は、がっかりするかもしれない。

    また、作者の置かれた状況(病状)は「ちょっとさみしい」程度ではなく、想像以上にキツいもの。
    かつ、スッキリするラストは用意されておらず、「この作者は、まだ危険な状態にあるんじゃないの?」と感じてしまう。ちなみにその予想が当たっていることは、次作「一人交換日記」を読めば分かる。
  • 黄昏流星群

    弘兼憲史

    クオリティ絶賛劣化中
    2018年4月18日
    中高年を主人公とするラブストーリーで、初期のエピソードはどれも面白い。
    が、連載が長期化すると、次第にクオリティが劣化していくのはどの人気作も同じか。
    最近はプロットの出来が悪い。
    オチも何もないまま終わる場合もあり、呆気にとられることも。

    クオリティを保てないなら、ファンのためにもさっさと連載終了したほうがよいとも思うが、たまに「ラブドールとの恋愛」などの異色作が飛び出すから侮れない。

    休載期間を長めに取るなどしてでも、物語を練る時間を作っていただきたい。
  • ど根性ガエルの娘

    大月悠祐子

    病的
    2018年4月18日
    作者の大月悠祐子は、家族のことをネタに描いている。
    それも、「自分はこんなに虐げられていた」というエピソードばかりだ。
    3巻まで読み進めた段階で、私はそれを「卑怯だな」とも「やりすぎだな」とも感じた。

    たとえ家族に恨みや不満があったとしても、それは家庭内で解決するべきであり、不特定多数へ発信するものではないからだ。

    ところが4巻を読むと、まさにそのことがネタにされているではないか。(実父から「母親のことは描くな」と言われたエピソード)

    この作品は恐ろしい。

    果たして大月悠祐子は、まともな精神状態のもとで、これを描いているのだろうか?
    最後にどうまとめるつもりなのだろうか?

    それがまるで分らない。

    計算づくでやっているなら、大傑作になる可能性もあるが、
    今は「病的」なものを強く感じる。
  • ミナミの帝王

    天王寺大/郷力也

    間違いなく面白いが……
    2018年4月18日
    「ミナミの帝王」は、「美味しんぼ」と一緒だよ。

    ユニークで面白いんだけど、
    さすがに長期連載をしすぎて、とっくにネタ切れ。

    だから最近は、一つのエピソードを、何話にも何十話にも引き延ばしている感がある。

    「ミナミの帝王」は傑作だ。
    でも、それは過去形なのかもしれない。
  • 白竜HADOU

    天王寺大/渡辺みちお

    これまでの白竜シリーズと、どう差別化?
    2018年4月18日
    「白竜」が「白竜LEGEND」になった時には、物語の舞台も変わった。新しい主要登場人物も増えた。

    それが第3弾「白竜HADOU」になったわけだが、何がどう変わったのだろうか。
    今のところ、ただタイトルを変えただけの新装開店に見える。

    それとも、ここから新しいテーマが展開されていくのか。

    さすがにこのままでは悪い意味でのマンネリになるので、
    剛野組長との因縁に決着をつけるなど、大きな動きがほしいところだ。
  • 白竜

    天王寺大/渡辺みちお

    白竜シリーズ第1弾
    2018年4月18日
    続編「白竜 LEGEND」などと比べると、主人公の顔も、言動も、違和感がある。
    まあ、それはどのマンガにも言えることではあるが。

    内容は文句なく面白い。

    ただ、女性の人権をあまりにも無視したストーリー展開や描写が多く、
    女性読者からの支持は得にくい内容だと思う。

    その点では、続編「白竜 LEGEND」の方がマイルドになっている。
  • 白竜-LEGEND-

    天王寺大/渡辺みちお

    不要だった、2つのシリーズ
    2018年4月18日
    「白竜」シリーズは面白い。

    ただ、やたらと長い「救世主(メシア)の遺産編」は不要だったと思う。
    話がモロにオカルトだし、
    女性に心を許さないはずの白竜が本気の恋人を作るなど、
    熱心な読者ほど唖然としてしまう展開。
    ネタがないなら、休載するべきだった。

    また、最終シリーズ「地の果て海の始まり編」も蛇足。
    原作の天王寺大は、「ミナミの帝王」でもこういう青年期編(ヤング編)を描かせているけど、どちらも要らないんだよね。
    そういうのは読者の想像に任せてほしい。
    白川竜也も萬田銀次郎も、ミステリアスだからいいのだ。
  • グラップラー刃牙

    板垣恵介

    「刃牙」シリーズは、これだけ読めばよい
    2018年4月18日
    「グラップラー刃牙」のシリーズは、この後も「バキ」「範馬刃牙」「刃牙道」と続いてはいくが、数を重ねるごとにクオリティが落ちていっている。
    その点では「カイジ」も大概だが、それ以上の劣化ぶりだ。

    唯一マトモなこの「グラップラー刃牙」も、わざわざ1巻から読まずとも、21巻あたりから始まる最大トーナメント編だけ読めばいいかもしれない。
  • バキ

    板垣恵介

    駄作
    2018年4月18日
    絵は描けても、話を作るのがめちゃくちゃ下手な作者だが、
    「グラップラー刃牙」は、トーナメントをやらせることで、何とか形になった。

    続編「バキ」はひどい。
    格闘家vs死刑囚という発想は良かったが、ネタが尽きたのか、途中で飽きたのか、いずれにせよポイ捨てする始末。
    自分で広げた風呂敷くらい畳んでくれ。
  • いぬやしき

    奥浩哉

    失敗作だと思う
    2018年4月18日
    「いぬやしき」はつまらない。

    そう決定的に感じたのは、3巻の「やくざ」シリーズだ。

    弁当屋の女の子が、やくざの鮫島に襲われるエピソードだが、このシリーズ第1話は完成度が高い。
    いきなり登場した鮫島というキャラクターに、背筋も凍る不気味さがあった
    「ウシジマくん」の滑川さんだって逃げ出す、強烈な「悪」だ。

    このキャラクターを使って、誰も見たことがないような、無茶苦茶な展開だって描けたはずだ。

    しかし、作者はそこへ踏みこまなかった。
    強烈な「悪」を登場させておきながら、彼を使い尽くさなかった。
    そして、訪れるあまりに凡庸な結末。

    アイディアが浮かばなかったのか。
    それとも、浮かんだアイディアを使えない事情があったのか。

    いずれにしても「やくざ」編は、キャラクターは奇抜なのに、お話は凡庸。
    それはそのまま、私の「いぬやしき」という作品全体への評価でもある。
  • おいしいロシア

    シベリカ子

    ロシアに関心がある方におすすめ
    2018年4月18日
    理由あってロシアへ旅行することになったので、
    参考書のつもりで買ってみました。

    このシリーズ、もっと出してほしいなあ。
    シベリカ子さんの作品は、他にないのかな?
    毒気もなく、バカ売れするようなタイプの作家さんじゃないだろうけれど…。
  • 大蜘蛛ちゃんフラッシュ・バック

    植芝理一

    1巻までの暫定評価
    2018年4月18日
    まだ1巻しか発売されていないので、1巻を読んだところまでの暫定評価。

    息子が、事情あって、実の母親に恋愛感情を抱き始めてしまう……という変態じみた話を、可愛い絵柄でコミカルに描いた作品です。

    メガネの大蜘蛛ちゃん(表紙の子)が可愛いので、それだけで買ってみました。

    ただ…… どうかなぁ。

    すでに1巻で、息子が実母の「胸」や「おしり」(というより女性器)を意識したり、
    キスを期待したりし始めているのを見ると、
    「うへーっ」というか、何というか、
    素直に楽しめない気分になってしまいます。
  • 解体屋ゲン

    星野茂樹/石井さだよし/クリエイションアドバンス

    「どうせつまんねー」という偏見を解体!
    2018年3月9日
    コミック第1巻の表紙を見てほしい。
    肉体労働者が重機か何かを運転しているシーンだ。

    ははーん、このメットを被った太ったおっさんが、
    酒や博打に溺れたり、
    つまらないことでケンカをしたりするような
    ド底辺生活を描いた作品なんだろうなぁ。

    ………なーんて偏見を、俺も持ってしまっていた。

    おまけにタイトルは「解体屋ゲン」。
    どう考えたって面白いわけがない。



    そんな偏見を、見事に「解体」してくれたのが、ゲンさんだ。

    傑作だよ。

    掲載誌の関係から、ムダなエロシーンも多少あるし、
    石井さだよし氏の絵柄も、やや古さは感じるだろうが、
    とにかく一話、一話のクオリティが安定している。
    キャラクターの魅力と、適度に熱いドラマに引き込まれる。
    名人芸の域だと思う。
  • 金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿

    さとうふみや/天樹征丸/金成陽三郎/船津紳平

    アイディア賞みたいな作品
    2018年3月9日
    とりあえず2巻まではまあまあ楽しめましたが、
    同じ調子でこの後も続けていくのは厳しいでしょうね。
    まあ、この手の作品の宿命でしょう。

    とはいえ、この企画を考え、通した人は偉い。
  • キン肉マン 読切傑作選

    ゆでたまご

    「傑作選」という扱いに不満あり
    2018年3月7日
    収録されているエピソードの中には、どうでもいい番外編もあれば、
    「キン肉マン」本編に大きく絡んでくるものもある。
    いわゆる伏線の回収というやつだ。

    なぜ、これが「傑作選」なのか。

    第37巻のように、本編のコミックスとして発売するべきだ。
  • かくかくしかじか

    東村アキコ

    いい作品だとは思うものの
    2018年3月7日
    他人ではなく、
    自分の人生、体験談をドラマティックに描くというのは難しい。

    ひとつ匙加減を間違えると、ナルシズムが鼻につき、
    途端に気持ち悪く感じられる。
    「酔ってんじゃねぇよ」と、いうことだ。

    この作品でも、いくつかのモノローグで、そう感じさせられてしまった。



    また、実話としてはドラマティックではあるけれども、
    東村アキコという漫画家に興味がない方からすれば、
    わざわざ買って読む価値があるストーリーでもないだろう。
  • 真説 ザ・ワールド・イズ・マイン

    新井英樹

    ちゃんと全巻買った上での感想です
    2018年3月7日
    連載当時に、第3話「羆(ひぐま)」を見たのが初めて。
    絵にも話にも引き込まれました。

    間違いなく怪作、異色作であり、
    丁寧な取材に基づいて描かれた力作でもあります。

    しかし、では果たしてこれは面白いのか?
    面白いと思いたい、好きになりたいと思って読み続けているのに、
    どんどん置いてけぼりになる。
    報われない恋のような感じを受けました。

    たいへん作家性の強いマンガだと思います。
  • 東京タラレバ娘

    東村アキコ

    本編は面白いが…
    2018年3月7日
    ドラマ版などは観ていませんが、「海月姫」が面白かったので買ってみました。
    こちらも、作品の中身は好きです。

    ただ、コミック1巻あたりのページ数がそう多くなく、
    しかも本編とは違う「番外編」の占める分量がやや多め。
    というわけで、あまりお買い得でないかもしれません。
  • THE EDGE

    長沢克泰

    連載当時、好きでした
    2018年2月16日
    少年ジャンプで、短期で打ち切られた作品の一つ。

    でも俺は好きだったよ。
    第一話は、何度も何度も繰り返し読んだ。

    覚えていたから、コミックシーモアで検索し、ちゃんと買いました。



    人気が出なかったのは、設定の似ている「シティハンター」に勝てなかったということなんだろうか…。
  • 児童福祉司 一貫田逸子

    穂実あゆこ/さかたのり子

    2巻で終わりなの? 続きは?!
    2018年2月16日
    続きが読みたい。

    今の時代にぴったりのテーマなのだから、続編を強く希望。
  • サバイビー

    つの丸

    適度にグロい、つの丸センセの佳作
    2018年2月16日
    「モンモンモン」「マキバオー」より、こっちが好きだな。
    残酷描写もあり、ジャンプ向きではなかったのかもしれないが、
    3巻で終わらせるべきではない佳作。

    いや、ちょうどこれくらいの短さで、きれいにまとめた方が良かったんだろうか…。
  • 宮本から君へ [完全版]

    新井英樹

    暑苦しさに、うなされる
    2018年2月16日
    いちおう最終巻まで読みました。

    各方面で、たいへん評判のよい作品ですが、
    絵も演出も、俺の好みではありませんでした。

    確かに、終盤のバトルは熱かったけれども。



    その時代に読むべき作品だったのかな。
  • 海月姫

    東村アキコ

    魅力的なキャラクターがいっぱい
    2018年2月16日
    44歳おっさんの感想。

    映画も見ていません。ドラマも見ていません。
    ただ何となく、「そんなに繰り返しメディア化されるんだったら、面白いのかな」と読み始めてみました。

    とても気に入り、最終巻まで一気に読み終えました!

    主人公の月海ちゃんがまず魅力的で、その周囲を固める個性的な面々もいいですね。

    終盤の展開(シンガポールの社長が登場して以降)は、テーマも深く(重く)なり、性愛的な匂いも漂い始め、「いったいどうなってしまうのか」と。
    そう思わせておきながら、急速に風呂敷が畳まれていき、しりすぼみに終わってしまった感があります。
    シンガポール編は本当にあれでよかったのか?
    もっと面白く盛り上げられたのでは?

    でも、そこを差し引いても、たいへん楽しめました。
  • 火ノ丸相撲

    川田

    キン肉マンの作者がホメていた
    2017年12月25日
    キン肉マンの作者がホメていたので、買ってみたんですがね。
    これは確かに、抜群に面白い少年マンガだ。

    「相撲」をテーマにした少年マンガとしては、過去最高傑作ではないか?

    コミックスではちょうどこれから高校生編が終わり、プロ(大相撲)編が始まるわけだが、
    さて、ここまでの面白さを持続できるかどうか。

    現実の大相撲が不祥事まみれなだけに、
    「火ノ丸相撲」の奮闘に、さらに期待したい。
  • めしにしましょう

    小林銅蟲

    個性的な作者
    2017年12月25日
    ドキュメンタリー番組を見て、この作者を知りました。
    実際に野生動物を解体して調理するなど、かなり個性的なお人。

    それで興味を持って、作品を買ってみたわけだけど……

    作者個人の体験を漫画化したのが、本作なわけだけど、
    3巻まで読んで、俺は気づいてしまった。

    ドキュメンタリー番組で描かれていた、作者の素の姿の方が、
    劇中のキャラクターより、ずっと面白いし、魅力的。

    作品が、作者本人に負けていると思う。

    よく言えば、この作品はもっと面白くなる可能性があるということかもしれないが……。
  • 人間交差点

    矢島正雄/弘兼憲史

    アラフォー以上にオススメ
    2016年8月17日
    全27巻とも購読済。

    島耕作シリーズの弘兼憲史が「黄昏流星群」以前に描いた作品。本作では、弘兼氏は絵のみの担当のようで、原作を脚本家の矢島正雄氏が手掛けている。

    全27巻・全232話ともなると、さすがに「あまり面白くないなぁ」「似たような話だなぁ」というものも少しは混ざっている。

    しかし、全体のクオリティは高い。

    「黄昏流星群」が好きで、もっとクオリティの高い「黄昏~」が読みたいという方にオススメしたい。
    なにしろ「黄昏~」は、確かに面白いが、一つのストーリーを5話、6話に亘って引き延ばしている点が気に食わない。
    その点、「人間交差点」は基本的に一話完結型(わずかに前編・後編に分かれたエピソードもあるが)。
    描かれているのも「老いらくの恋」だけでなく、「人間模様」をキーとした様々なエピソードが詰まっている。なにしろ第1話からして、いきなり刑務所内の女囚が、我が子を憎み、殺そうとする話なのである。

    というわけで、中身の濃さでは「黄昏~」に勝っている本作だが、1980年代の作品なので、当時の世相が理解できていないとピンとこない内容ではある。
    つまり、アラフォー、アラフィフにオススメ、ということだろう。
  • 善悪の屑

    渡邊ダイスケ

    面白いのは第1話まで。
    2016年7月27日
    全5巻とも購読済。

    内容は、現代版「必殺・仕事人」。
    母親が暴行され、幼い子が殺されるという第1話はかなり衝撃的だ。
    ただ、結局、この第1話を超えるエピソードは出てこなかった。

    不思議なもので、テレビドラマの「必殺・仕事人」なら、毎回代わり映えがしなくても(マンネリでも)、視聴者に許されるところがある。
    しかしこれが連載マンガになると、犯罪の手口や、主人公の復讐法をどんどん過激にしていかないと、やはり読者に飽きられてしまう。

    内容にしても描写にしても、過激にするにも限度があるのだから、連載を長期化させるのはもともと難しい題材だったということだろう。

    途中で主要登場人物を増やすなどのテコ入れもしているが、効果的なものではなかった。むしろ作品が妙にウェットになってしまっていて、「味」を薄れさせている。
  • 連載終了!少年ジャンプ黄金期の舞台裏

    巻来功士

    伝説の「メタルK」作者が、当時を語る
    2016年7月27日
    週刊少年ジャンプでは、短期で打ち切られたマンガなんか、山ほどある。
    でも、この42歳のオッサン(私)が未だにトラウマ的に記憶しているのが「メタルK」だ。
    少年読者の度肝を抜く、ホラーアクション。
    あれは、時代が早すぎたのか。あるいは、連載誌を間違えたのか……。

    ともあれ、「連載終了!少年ジャンプ黄金期の舞台裏」は、作者・巻来功士さんが当時の自分を描くという自伝マンガです。
    永井豪さんの「激マン!」みたいなものですね。
    巻来功士さんに興味がある方は、購読して損はないと思います。
    もっと暗い、どろどろした吐露のようなもので埋め尽くされているのかと思いきや、案外、あっさりと、さわやかに描かれています。
    そこは期待と違うなぁと思いました。
  • 闇金ウシジマくん

    真鍋昌平

    「ミナミの帝王」と併せて読みたい
    2016年7月27日
    36巻まで購読済。

    「ミナミの帝王」(好きです)と同じ題材だが、あちらは重く暗いテーマを気楽に読ませる「軽さ」が味になっている。
    描写も大げさで、はったりが効いている。「そんなバカなー」と笑い飛ばせる点で、とてもマンガ的なマンガだ。

    一方の「ウシジマくん」は重い。ひたすら重い。
    「いるいる、こんな奴」ならまだいいが、エピソードによっては「自分も一歩間違えればこうなっていたかも…」と、背筋に冷たいものが走る瞬間も。

    ただ、そういった面白さが、「ヤクザくん」編の前後から薄れてきてはいないか? エピソードが現実離れしてきているように思う。
    闇金業者とヤクザの抗争を描かれても、「自分も一歩間違えればこうなっていたかも…」的な怖さは感じられない。

    まだまだ描いていないネタ(社会の病巣)はあるはず。
    ここからどう展開していくのか、楽しみに見守りたい。
  • あさひなぐ

    こざき亜衣

    40歳前後のおっさんにお勧め
    2016年7月7日
    19巻まで購読済。

    こちらは、40代のおっさんです。

    久しぶりにスピリッツを立ち読みして、「どれもこれもつまんねー」と思っていた中、一つだけ魅力的な作品がありました。
    それがこれ。「あさひなぐ」。

    ボクシングの「はじめの一歩」ってあるでしょう。弱い子が、努力・努力でどんどん強くなるあのマンガ。
    あれの女の子版、なぎなた版だと思えばいいの。
    でも、「はじめの一歩」はアホみたいに展開が遅いでしょう?
    「あさひなぐ」はそうじゃないよ。19巻まで読んだけど、作中の時間の流れがとても自然。春夏秋冬ごとにドラマがあり、主人公もちゃんと年を取ります。

    お話も、絵も、魅力的。
    作者のこざき亜衣さんは、これが初めての長期連載作品らしいが、なかなかどうして、もはや名人の域です。

    男女問わずに読んでほしい作品だけど、しいていえば俺みたいな、おっさんにこそ向いているはず。
    だっておっさんは、「若い女の子が、けなげに頑張る話」が絶対好きだからね。