だいすき!!~ゆずの子育て日記~
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だいすき!!~ゆずの子育て日記~

愛本みずほ

夢物語

2018年5月25日
最後まで読みましたが、知的障害者の親の元に産まれる子供は可哀想だとより一層感じました。(作者の意図と正反対の感想かもしれません)
柚子には愛情がある、という表現が作中で繰り返し使われていましたが、果たして子育ては愛情だけあればいいんでしょうか。
柚子の「子育てしてみたい!」という気持ちを中心に物語が動いていたけれど、それは本当に愛情からなんでしょうか。
小さい子供が「お人形さんのお世話したーい」とわがまま言っているのと同等に感じました。

知的障害者への偏見を無くそう、知的障害者も幸せ、といったことがテーマになっているのだと思いますが
知的障害者の子供は、健常者の子供として産まれるより、制限されることが増えるのは事実です。
つけない職業もあるし、結婚や友人関係がうまくいかないこともあると思う。
知能的な問題もあるし、金銭的に裕福でない家庭も多いと思う。
いまは、柚子のお母さんや安西さん矢野さんがいるけれど、みんなが亡くなったあとは蓮やひまわりは、柚子の介護で一生を終わらせなければいけないのか。
漫画だからそれなりに周り(福祉の人たちだけでなくアパートの人や職場の人など)も理解があってうまくいき感動物語になっているけど、現実は、、
電車であーあー叫んでいる中年男性と、彼に寄り添う疲れ切った母親の姿を見かけたことはありませんか。
あれが現実ですよね。

生まれてくる子供は親を選べないので、いくら漫画とはいえ残酷だと感じました。
現実になってほしくないです。
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