うーん





2018年5月29日
主人公が育ちから、目前の存在に嫌われることを絶対に回避したい、悪者を引受けられないタイプの少年です。彼の心の欠落、愛情への飢えが丁寧に描写され、何より彼自身が、主テーマである自分の妹への執着は、自分自身の存在理由を維持したいためで、真の妹に対する愛ではないことを自覚している描写があり、その部分は切なく不憫で泣けました。
正しいことではないと理解しながら、自身の手を汚すこと、罰を命じることを極端に恐れ、逃げ続ける弱さは作中最後まで変わりません。その彼が治世を試みた結果生じる犠牲、混乱もよく描けていました。民族紛争の描写はリアルで、実際に市井で起きるテロ、差別、リンチの雰囲気があります。作中で、ある混乱は後に解決と簡単に触れられていますが、現実的には例えばロヒンギャ問題を見ても決着がつかないことは明らかです。ここは読者が納得し辛い部分と思います。
突如指名されるという王の特殊性上、必ず育成システムが存在するはずですが、作中では触れられていません。そのため、彼の行動が様々な犠牲を生むことになりますが、中盤で主人公が到達する、とにかくやりたいことをやる、分からないからやらないでは何も始まらない、という結論には賛成です。結果起こった惨事にも、主人公は毎度、やめてください!聞いてください!と叫んで号泣し、最後は倒れますが、常に行動スタンスは変わりません。メンタルが強いのか弱いのかよく分からない人ですが...。
制圧する、罰すると言った表面上マイナスワードには一律反対、一方で、視察する、説得する、話し合う、実際にこの目で見る、と言った表面上ポジティブなアクションは、どんな犠牲が出ても実行する、という明らかな矛盾は最後まで存在し続けます。
彼以外の王は、性格が一貫していないので感情移入が難しいです。後に妊娠する女性キャラは、主人公と同じabuse被害者ですが内面が封じられ記憶も操作され、ひどい扱いでした。もう1名の王も記憶操作を受けており、二名とも宮殿に常にいて、女性キャラの描き方はとても疑問です。外伝の二名の男性キャラクターは活き活きしてとても良かったです。
性的シーンは少なめですが丁寧です。abuseを受けて生き延びているので、もっと色々と技を繰り出してきて、それが一つの武器になると面白かったと思いますが、主人公は受け身でした。
正しいことではないと理解しながら、自身の手を汚すこと、罰を命じることを極端に恐れ、逃げ続ける弱さは作中最後まで変わりません。その彼が治世を試みた結果生じる犠牲、混乱もよく描けていました。民族紛争の描写はリアルで、実際に市井で起きるテロ、差別、リンチの雰囲気があります。作中で、ある混乱は後に解決と簡単に触れられていますが、現実的には例えばロヒンギャ問題を見ても決着がつかないことは明らかです。ここは読者が納得し辛い部分と思います。
突如指名されるという王の特殊性上、必ず育成システムが存在するはずですが、作中では触れられていません。そのため、彼の行動が様々な犠牲を生むことになりますが、中盤で主人公が到達する、とにかくやりたいことをやる、分からないからやらないでは何も始まらない、という結論には賛成です。結果起こった惨事にも、主人公は毎度、やめてください!聞いてください!と叫んで号泣し、最後は倒れますが、常に行動スタンスは変わりません。メンタルが強いのか弱いのかよく分からない人ですが...。
制圧する、罰すると言った表面上マイナスワードには一律反対、一方で、視察する、説得する、話し合う、実際にこの目で見る、と言った表面上ポジティブなアクションは、どんな犠牲が出ても実行する、という明らかな矛盾は最後まで存在し続けます。
彼以外の王は、性格が一貫していないので感情移入が難しいです。後に妊娠する女性キャラは、主人公と同じabuse被害者ですが内面が封じられ記憶も操作され、ひどい扱いでした。もう1名の王も記憶操作を受けており、二名とも宮殿に常にいて、女性キャラの描き方はとても疑問です。外伝の二名の男性キャラクターは活き活きしてとても良かったです。
性的シーンは少なめですが丁寧です。abuseを受けて生き延びているので、もっと色々と技を繰り出してきて、それが一つの武器になると面白かったと思いますが、主人公は受け身でした。

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