深淵
」のレビュー

深淵

佐々木かほ

こんな作品が読みたかった。

ネタバレ
2018年6月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 男同士の未来を考える、というようなストーリーはよくありますが、同情から付き合うというようなはじまり方が新鮮で、それがある故にお互いが 辛かったり苦しかったりと複雑で重い感情が絡み合いこのストーリーの肝となり、引き立っていると思います。
正樹はシゲさんのことが好きで好きで堪らなくて、独占したい、同情でもいいからそばにいて欲しい、という痛いほどの愛が読んでいるこちらにも伝わってきて胸がキュッとします。特にシゲさんが出ていったときに正樹が追いかけていくシーンと「好きになっちゃってごめんね」という台詞には強く胸を打たれました。
シゲさんの正樹への気持ちの部分は本編ではあまり分かりづらかったのですが、書き下ろしでその部分は補完されていたので良かったです。
絵柄について賛否両論あると思いましたが、自分的にはこの絵柄だからこそストーリーがリアルで引き立ち、より引き込まれる要素だと感じました。シリアスなシーンもありますがハッピーエンドなので読後感もとても良かったです。
とにかくキャラクターが愛おしくて、読んでいて胸がいっぱいになりました。正直表紙からして一目惚れでした、この作品に出会えて幸せです。続編があったらぜひ読みたいので淡く期待しています(笑)
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