ネオンサイン・アンバー
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ネオンサイン・アンバー

おげれつたなか

気持ちが伴ってこそのHです

ネタバレ
2018年6月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家さんのイメージからエロ主体かと思って避けてましたが、むしろストーリー主体でした。
表紙とタイトル画から、受けのサヤがめちゃくちゃ経験値の高い色気ムンムンな子かと思っていたら…全くの真逆。なんと可愛らしく表情豊かで純情で、健気で忍耐強い子であることか。
ゲイ受け×ノンケ攻めなんですが、ゲイのサヤは過去のトラウマから『お付き合い』はしたことがないので、性的にはお初同士ということで、くっつきそうで後退するところが、リアルではありますが、サヤのあの泣き顔を見るとやっぱり切ない。
最初の男みたいにいっそのこと徹底的にクズに振ってくれれば潔く諦められるのに、勇介みたいに気遣いながら拒否されると逆に辛い。それでも友達でいようとするサヤの気持ちを考えたらもう…。
でもずっと勇介がサヤを好きでいてくれたので良かった。
一見チャラくて何も考えてなさげなサヤが、とにかく純粋で可愛い。そして時折見せる何とも言えない色気がもう、そりゃノンケも落ちるだろうって感じ。そして思わず守ってあげたくなります。
今まで恋愛が上手くいかなかった勇介もサヤも、二人で幸せになってちょうだい、というラストでした。

欲を言えば、最初にコトに挑んだものの勇介が怖気づいて失敗してしまった時と、終盤に二人の気持ちが繋がって二度目にコトに挑んだ時との、有介のサヤに対する気持ちの違いをもっと丁寧に描いて欲しかったように思います。
BLにおいてはノンケ同士だろうがサクッと最後まで致す展開が多い中、こういう表現は珍しいし新鮮だったので興味深いところでした。
ノンケ男性が『あの子ちょっと良いな』とか『あの子ちょっと可愛いな』という程度の気持ちで女の子同様に男の子を相手にするのは、結果的に双方深く傷付くのであって半端な気持ちで付き合うのは許されないということも表現しているのかなとも思えただけに、その辺がちょっと惜しいなと感じました。

出来れば後日談としてのイチャイチャをもっと見たかったなあ。
クラブを舞台にしているのが付いていけるかなぁと心配でしたが、サヤはダンサーではないし主体は二人の関係だったので大丈夫でした。
ちなみに最後まで致すエッチシーンは一回だけです。もうちょい見たかった。でもサヤが緊張しすぎて呂律が回ってないところ、滅茶苦茶可愛かった。
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