健康で文化的な最低限度の生活
」のレビュー

健康で文化的な最低限度の生活

柏木ハルコ

あの「いぬ」の作者が‥

2018年6月20日
柏木先生の最近の本ではなく、昔の「花園メリーゴーランド」や「いぬ」「よいこの星」を読んでいた自分としては「今こんな絵を書いているの!?こんな題材を書いているの!!?」という驚きの方が強かった。
さて、2018年の夏ドラマでこの作品が映像化されるということでまず1作目だけを購入して読んでみた。
「生活保護」という言葉を聞いて、いいイメージを持つ人、悪いイメージを持つ人、どちらが多いだろうか。
少なくとも芸能界でも生活保護の不正受給が取り沙汰されていたので、悪いイメージを持っている人の方が多いのではないだろうか。
確かに国民の血税でギャンブルや高級な食べ物、ブランド品を買う人がいる事実はある。しかし本当に心身共に疲れ果て、起きることで精一杯、ご飯を食られず身動きが取れない人がいるのも事実だ。心身共に健康ではあるが、緊張してしまうと体が動かなくなったり、呼吸がうまくできなくなる人もいる。
一概に「生活保護を受給している人全てがだらしなく、怠け者で、お金を散財している」と言い切れない。そういう色眼鏡で見てしまれるような人がいるのも実情である。
この作品を読んで生活保護を受給していて所謂「普通の人」になりたい、「普通と言われる生活を送りたい」と思っている人もいるということの理解が深まるといいなと思う。
自分の目に映る世界観だけが全てではなく、自分目に映らない場所に本当に悩んでいる、困っている人がいるというのを第一巻の主人公は実感していると思った。
まだ一巻しか読んでいないが、主人公を含む新人の成長が今からたのしみだ。
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