今日からCITY HUNTER
」のレビュー

今日からCITY HUNTER

錦ソクラ/「CITY HUNTER」北条司

元祖のCHの世界観を新しい視点で味わえる

2018年6月22日
1巻をシーモアで購入。
簡単に言うと…
1,中期の絵柄で日常系シティーハンター
2,全てを知ってる主人公よりやっぱりリョウの方がチート
3,日常系なので原作ではあまり尺を割けなかった様なリョウや香たちのちょっとした人となりを楽しめる

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最初にネットニュースでこの作品の概要を知った時は「異世界転生もの」にシティーハンターが目を付けられてしまったか、と嫌な印象を受けました。
しかし立ち読みで印象が逆転。北条先生の圧倒的な画力の絵を完全再現してる、とはどうしても長年のファンとしては言い難いのですが当時の若々しいタッチやあの時代のトーンワークや白黒のメリハリなど当時の画風がとても丁寧に再現されています。
この忠実な作風で馴染み深い話に追加要素を加えてあるという点が、主人公の様にタイムスリップしてシティーハンターを読んでいる様な新鮮な気持ちを味わえました。
ストーリーは、夢小説や異世界転生ものにありがちな主人公ばかり有利なご都合主義になる様な事はなく、作品内のパワーバランスも変わってません。異分子である主人公の介入により物語の正史が変わりそうになったりもしますし元の物語の主人公であるリョウがちゃんと運命の変更を無自覚で阻止してるところも原作への敬意を感じます。
各キャラクターがそれぞれちゃんとこのシーンに「沙織」がいたらこうするだろうという行動を取っているし、シティーハンターファンだけあって主人公がそんなに出しゃばろうとしないのも原作ありきの転生ものとしてちょうどいいと思います。
個人的にエンジェル・ハートで見たかったのはこういうシティーハンターの設定の香と美樹がいるところに異分子的な若者が入ってワイワイやるお話でしたので、エンジェル・ハートの展開が楽しければ楽しいほど寂しく感じていたファンとしてだいぶ救われました。
ただ、元祖のシティーハンターの様なスリリングな展開と派手なアクションは1巻の時点ではありません。
本作は早い段階で「日常ものシティーハンターです♪」と開き直ってる感じもありますのでアニメのほのぼの系オリジナルストーリーが楽しめた方ならわりと抵抗はないと思われます。
主人公に関しては、ファンなら絶対気になったと思う原作最終回より先のリョウと香を見させてあげたいので出来るだけ長く続いて欲しいです。
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