小説家の溺れ方【特典付き】
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小説家の溺れ方【特典付き】

浅井西

期待していただけに...

2018年6月26日
だいぶ厳しめなことを書いています。
新刊チェックをしている際に気になり、連載版の1話を読んでから前作とともに購入しました。とても楽しみにしていただけに…という悔しさが半端ないので、歯に衣着せぬといった感じで書かせていただきます。

前作では関係性があまり発展しない(というか曖昧な)まま終わっていたので、どういう風に始まって着地するのか楽しみに読んでいたのですが、まず大幅な加筆修正のせいで吉崎が突然登場したことに驚きました。
その後もストーリーにのめり込むことなく、キャラクターに感情移入ができないまま話が終わってしまい、読後に思わず「もう終わり? 短っ!」とツッコミを入れてしまいました…。
上手く話がまとまってページ数が少ないのはいいのですがそういう訳ではなく、まるで試行錯誤中のプロットを読まされているようでした。こういう流れでストーリーを進めていきたいというのは見て取れますが、繋ぎ目や前後関係が雑という印象です。
たとえばキャラクターの感情の動き(どこで自分の恋愛感情を認めるか)がはっきりしていません。今までたくさんの作品を読んだのである程度予想できるので何とか読めましたが、そこは読者に想像させるのではなくきちんと描かなければならない点だと思います。

こんなんならいっそのこと続編は出さずに前作の1巻だけで終わっていてもよかったのでは?と続編を購入したことを後悔しました。もしくは単行本じゃない方を買えばよかったなとか…1巻だけなら多少設定やキャラクターの感情がふわっとしていても自分で補完すればいいやと思えるのでマシです。
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