「よく僕のところに来てくれたね」





2018年7月14日
娘が生まれて喜ぶ事を通じて、ヒロインカーリーと過ごす喜びを噛みしめる、彼の幸福顔の表現に、このストーリーが集約されていて、なんとも心が潤う読後感だ。途中、子どもの頃からずっと寂しい毎日だった彼が、最高の日だと思える記念イベントを体験するシーンも、胸がギューッとした。
JET先生の他の作品で私はお坊っちゃまを見たことがなく、楚楚としたヒロインのHQをも読んだ記憶がない。
けれど、きちんと育てられたことがありありと滲むお行儀のよいメインキャラを描かれている。JET先生の手になると一見して解る絵柄なのに、それまで読んでいたテイストとはまるで違う仕上がりに、心から驚かされる。
そしてお祖父様の、生々しく強烈な存在感!
どの絵も迫力。顔、姿、喋りなど、パラフル爺。これほど実在感と威圧感をキャラに滲み出せた漫画家が他にいただろうか。力量まざまざ、なのだ。
ラボの連中のキャラも台詞と絵とが生き生きして合っている。
作風が嫌いでないのならこれは必見であると思う。
これが、絵のない活字だけの描写から漫画を起こした創作なんだろうか?ゼロからそこまで映像化したんだろうか、と恐くなるくらいの、表現力!迫りくる訴求力!実在感!
実写を漫画に落とし込んだのならわかる。でも、そのプロセスは無い訳だから脱帽。
ユーモラスなシーンのデフォルメも可愛く挿入してあって、その差し込み方に違和感がない。人物のみならず、外の、車も景色も家も全て高クオリティ。他のHQと同列で販売されるのがおかしいと感じるくらい時間と労力とを感じさせる力作だ。
持ってくる断面断面であるコマの切り取り方、その取捨選択の采配光る。
上流階級を描くことが想像つかなかったJET先生観を、私はひっくり返された。
ストーリーはよくあるHQの精子バンク物と契約結婚物であるけれど、それをこうまで仕上げてきた、構成力が良い。出逢えた喜びを感じているのは、むしろ、読者の私の方だ。
追記:今何度目かの読み返しをしたが感動度合いはまだ落ちていない。針葉樹から南洋樹へ転換など細かい所にも手抜きがない。画面が顔だけの白っぽい頁はないから安易な印象が無い。JET先生作品にこれまで5つ星付けたかどうか記憶にないが、付けていたとしたらこれは5.5以上の6ッ星相当だ。料理、ジム、レースと多様なのに纏まりがあり、劇的空間の心情コマもクッキリ。平凡な話がドラマになった。
JET先生の他の作品で私はお坊っちゃまを見たことがなく、楚楚としたヒロインのHQをも読んだ記憶がない。
けれど、きちんと育てられたことがありありと滲むお行儀のよいメインキャラを描かれている。JET先生の手になると一見して解る絵柄なのに、それまで読んでいたテイストとはまるで違う仕上がりに、心から驚かされる。
そしてお祖父様の、生々しく強烈な存在感!
どの絵も迫力。顔、姿、喋りなど、パラフル爺。これほど実在感と威圧感をキャラに滲み出せた漫画家が他にいただろうか。力量まざまざ、なのだ。
ラボの連中のキャラも台詞と絵とが生き生きして合っている。
作風が嫌いでないのならこれは必見であると思う。
これが、絵のない活字だけの描写から漫画を起こした創作なんだろうか?ゼロからそこまで映像化したんだろうか、と恐くなるくらいの、表現力!迫りくる訴求力!実在感!
実写を漫画に落とし込んだのならわかる。でも、そのプロセスは無い訳だから脱帽。
ユーモラスなシーンのデフォルメも可愛く挿入してあって、その差し込み方に違和感がない。人物のみならず、外の、車も景色も家も全て高クオリティ。他のHQと同列で販売されるのがおかしいと感じるくらい時間と労力とを感じさせる力作だ。
持ってくる断面断面であるコマの切り取り方、その取捨選択の采配光る。
上流階級を描くことが想像つかなかったJET先生観を、私はひっくり返された。
ストーリーはよくあるHQの精子バンク物と契約結婚物であるけれど、それをこうまで仕上げてきた、構成力が良い。出逢えた喜びを感じているのは、むしろ、読者の私の方だ。
追記:今何度目かの読み返しをしたが感動度合いはまだ落ちていない。針葉樹から南洋樹へ転換など細かい所にも手抜きがない。画面が顔だけの白っぽい頁はないから安易な印象が無い。JET先生作品にこれまで5つ星付けたかどうか記憶にないが、付けていたとしたらこれは5.5以上の6ッ星相当だ。料理、ジム、レースと多様なのに纏まりがあり、劇的空間の心情コマもクッキリ。平凡な話がドラマになった。

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romance2 さん
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