被写界深度
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被写界深度

苑生

作者さんについて知りたくなります

2018年9月1日
はぁ~久しぶりに「どんな音楽を聴いて、好きな写真家は誰で、お気に入りの映画は何で、愛用ブランドは?絵描きなら、誰に影響受けましたか??」と質問攻めしてみたくなるような漫画家さんが現れました。
絵に惚れ惚れします。
キスの合間の半開きの瞳がセクシー。

自分の子供の方が登場人物の年齢に近いような歳になりますと、こんな素敵なBLを読んでも、自分が萌えるというよりは、「どうかわが子にもこんな出会いがありますように」と、もはや祈りのような気持ちを抱いてしまいます。
冗長だという評価も多いようですが、上巻の早川の過去と、紺ちゃんによって変わっていく過程も魅力的でした。早川母の「秀のそのクセ含めて好きになってくれる人は必ずいるよ」を受けての千葉のラストシーンと、紺ちゃんが屋上で初めて撮った早川の歌う写真ですし。
ただありのままを肯定してくれる都合のよい出会いではなく、自分が恥をかいたり傷ついてもそっと背中を押してくれるような、そんな人間関係に恵まれ、さらにはその相手と恋愛も共有できたなら、これに勝る幸せってないんじゃないかと。

続編は読みたいような、読みたくないような…。
作者さんのTwitterを見てたら、読みたくなりますけどね。
早川の才能が、紺ちゃんとの再会でいよいよ化けてほしいかな。
作者さんの今後の活躍、大いに期待したいです。
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