かなしく愛おしい二人のお話

タイトルがとても素敵。就活中の大学生･夜空×遠縁のワケあり高校生･晴真。夜空が大家をしているアパートに晴真が越してくるところから始まるお話。自分は誰にも必要とされていないと、自分の存在意義が分からなくなっている二人。特に夜空の孤独は共感できるところがあって、雨に降られて空を見上げるシーンは切なくなりました。晴真の境遇はとても苦しくて、やっぱり陸也の仕打ちが残酷。本人はあまり悪気はなさそうだけど、夜空にああいう言い方をするのは悪意がないのならなおさら意地が悪いなあ。二人が互いの隣に居場所を見つけて、前向きに進んでいけるようになってよかった。アパートの住人達もいい人達ばかりで、近くに賑やかな商店街もあって、すごくいい環境だなあ。夜空が二人の関係をことさら隠そうとしていないのも、逆風もあるだろうけど微笑ましく応援したくなります。幸せなその後の二人を容易に想像できる、優しくてあたたかいお話でした。