このレビューはネタバレを含みます▼
ヒロインに対する母親や兄の仕打ちが酷くて、最初は胸が痛かったです。ヒーローと幸せになれて本当に良かった。ヒロインは医学もかじっているし、賢く優しい。けれど存在を否定され続けてきたせいで、自己評価が低く、とても儚げな印象です。卑屈な言動も多いけれど、それが期待を持たないように裏切られても傷つかないように、必死で自身に言い聞かせているのだと思うと切ないです。ヒーローの前では泣くのを堪えて強がり、一人になって慟哭するシーンは良かった。一人で泣かせまいとヒロインを捕まえるヒーローに、優しくしないでと必死で拒絶するヒロインに泣けました。ヒーローはヒーローでヒロインに枷を嵌めたりして、なんて横暴なんだと思いましたが、好きな女の子を逃したくなくて彼も必死だったんでしょうね。強引で横暴なことを言っても彼女を想う気持ちは溢れているし、とても優しいです。それがヒロインにも伝わるから、ヒーローのぬくもりや優しさを手放したくなくなる自分が怖くて逃げようとします。逃げるヒロインと追うヒーローという構図がとても好きなので、良かった。出来ればもっと逃げてほしいぐらいでした(笑)あとがきで作者様がそういう話をもっとがっつり書きたいと言ってましたので、期待して待ってます。ラスト手前、ヒーローの幸せの為に身を引こうとしたヒロインも切なかった。もちろんヒーローは逃がしませんが。二人の幸せそうなイチャイチャが見れて良かったです。