姫ちゃんのリボン
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姫ちゃんのリボン

水沢めぐみ

大人になって…

ネタバレ
2018年10月28日
このレビューはネタバレを含みます▼ 不朽の名作であることは言わずもがな。現代で発表したら数話で打ち切りになりそうな題材を、しっかり纏めて読者を飽きさせず、ワンパターンにもならない。ちょいちょい織り込んでくるラブストーリーも中学生らしくて微笑ましい。水沢先生の手腕ですね。水沢先生ももちろんですが、当時の作家さんの構成能力には頭が上がりません。
リボン連載時は私も小学生で「大地くんはいつ姫ちゃんを好きになったんだろう?」とずっと疑問でした。大人になって読み返して「あ、多分…この瞬間だ…。この時初めて姫ちゃんを意識し始めたんだ…。」と思えるシーンを読んで、20年振りに読んだ作品に身震いを覚えました。そう思ったら、それ以降の大地くんが大変すぎて(笑)。お話は基本的に姫ちゃんパートで進みますが、大地くん目線で読まれると、かなり面白いかもしれません。感情表現が丁寧で、かつセリフに頼らず作画で読ませる水沢先生だからこそ可能な技ですね。作品の中でキャラクターが生きているって、きっとこんな感じなのでしょう。恋は気が付かないうちに始まるものですし、男の子だってそれは一緒何だろうな…と実感しました。
水沢先生はこの作品の大人になった二人を書かれるつもりはないそうですが、私も賛成です。書かれずとも、姫ちゃんと大地くんは多分あのまま大人になっているのでしょうし…。
読まれたことの無い方も、子供のころ読まれた方にも、皆さんにオススメです。
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