世田谷シンクロニシティ
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世田谷シンクロニシティ

本郷地下

複雑な心の内側

2018年11月12日
大学の寮で相部屋生活を急遽始めることになった樋村くんと深町くん。授業やバイトで偶然一緒に行動する機会を増やしてゆく二人の交流が興味深い距離感で描かれています。一見不道徳に思われる関係性かもしれませんが、二人の日々のやりとりがテンポ良く丁寧に描写されているせいか不思議と不快感がありません。むしろ複雑な心の内側がしっかりと浮かび上がっていて、より切なくあたたかく感じられました。思いを肯定するのも否定するのも、人それぞれ心の持ち方次第なのですが、そのままで良いと受け入れてくれる人の存在は尊いなぁ、としみじみ思う作品でした。
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