このレビューはネタバレを含みます▼
知人にゴールデンカムイの方を勧められこちらで無料の一巻を読んだところとても面白く、こんな漫画を描く作者なら過去の作品も面白いのでは?と思いこちらにたどり着きました。ちょうど子供がフィギュアスケートをやっていて貸切の帰りにすれ違うホッケーの人達、同じリンクでもまったく違う世界ですが知らなかったルールを楽しく知れて勉強になりました。
何より最初のフィギュアのシーンも、いつも本物を見ている人間からしてもまったく違和感がなく、作者の描写力、観察力の凄さに驚きました。
6巻で完結の時点で打ち切りだろうとは思ってましたがどの辺でそれが決まったのかが気になります。
ゲンマ兄の転校はテコ入れの結果なのかそれともあれが終止符を打ったのか。
漫画自体はライバル、努力、成長、笑い、綺麗なスポ根です。主人公はフィギュア由来の身体能力の高さで魅せるトリッキーなプレイ、逆境を変える力、見ている人をワクワクさせてくれる桜木◯道ような男の子でした。ライバルのゲンマ弟もかっこ良く、もっと彼らを見たかった。(巨神兵磯野ちゃんの恋の行方も)
きっともっと長く続けばフィギュアを辞めたことの葛藤や主人公の過去、母親とのエピソードをもっと掘り下げ作品に深みが出たのだろうなと思うと設定が面白かっただけに惜しくてなりません。
妹ちゃんも過去のわだかまりから無表情で殻にこもった印象のまま終了してしまったので、内面をもっと知りたかった。
連載終了してからこんな魅力的な作品に出会うのは少し悲しいですね。
この作者が今ゴールデンカムイの方で日の目を浴びていることが救いです。今の連載を心から応援したいと思います。