このレビューはネタバレを含みます▼
読み始めた頃は中学生の頃だったと思います。
当時は奈々ちゃんの天真爛漫さと、彼女を取り巻く関係性に憧れていたけれど、
今改めて読むと、淳子ちゃんの熟年カップルの精神年齢の高さに、奈々ちゃんは救われていたんだなぁと新しい発見があり感動しました。
当時は章司と幸子は大嫌いだったなぁ…。
でも今読み返すと、章司くんはひたすら真っ直ぐな男で(浮気が出来ない)、
幸子ちゃんは小悪魔だけど根は誠実だった(わきまえてる)んだと分かって、
ふたりの出逢いとバランス関係はただただ運命だった。
この恋は決して誰も悪くないんだなぁと再認識。。。
ていうか、私も歳をとりましたなぁ(しみじみ)
矢沢あいさんの登場人物は、どのキャラクターも自分の正義感を通した芯のある人物だらけ。
この世界を彼らそれぞれの視点で無理なく動いています。
パズルのピースのように、よくこんなに緻密に動かせるなぁと思います。
だから、ファンタジーなのにどこかリアルな質感を感じずにはいられません。
すごい作家さんです。